銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。
先月神戸で行われた
第60回日本癌治療学会
当日は仕事が忙しすぎて
現地でもオンラインでも見られず
オンデマンドでやっと見られました
気になった演題をいくつか
高齢者の大腸癌術後補助化学療法におけるオキサリプラチン間欠的投与に関する検討
大腸がんでステージ2 or 3の人で
再発リスクが高い場合には
FOLFOX or CAPOXが行われます
いずれもオキサリプラチンを使うので
副作用の末梢神経障害(しびれ)が
問題となります、しかも長期に
再発を予防できたとしても
長期間にわたってしびれが残ると
生活の質が下がり満足度も下がります
それを改善させる方法として
日本で行われている治験があります
CAPOX療法(ゼローダ+オキサリプラチン)
8コースのうち途中4コース
オキサリプラチンを抜く
という方法で
間欠的(かんけつてき)投与法
と言います
この方法を行うと
1年後の末梢神経障害が激減し
60%→16%
しかも3年無再発生存率は
ほぼ同じだったという結果でした
副作用の強いオキサリプラチンは
毎回しなくても良いんじゃない?
ということになります
せめて高齢者だけでも
間欠的投与法にしてあげたら…
という切実な願いの発表でしたが
これがまだ第2相試験なのと
こちらでも書きました
欧米で作られたレジメを変えるのは
日本人医師には抵抗があるので
なかなか受け入れられていません
今回の発表で
若い人の末梢神経障害は
年月を経れば改善するけど
高齢者の末梢神経障害は
時間が経っても改善しない
というデータを示していました
ということは、なおさら
高齢者こそ間欠的投与にして
長期的な副作用を防いであげる
病気ではなく人をみる
という医療にして欲しいものです
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