銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。


 

前回の記事の補足です

 

 

免疫チェックポイント阻害薬投与後に

急速に腫瘍が増大する現象

Hyper progressive diseaseHPD

が、オプジーボなどで見られる

というお話でした

 

通常は、HPDが見られた後は

腫瘍はそのまま増大してしまって

寿命を縮めることになるのですが

 

一時的に腫瘍が増大した後

今度は縮小し始める現象

Spuedo progression(偽の増大)

が起こることがあります

 

Pseudo progressionは

免疫療法で活性化されたリンパ球が

腫瘍とその周囲に大量に集まり

腫瘍が増大したように見える現象です

 

そして、増大したように見えた後に

腫瘍がどんどん縮小していく

オプジーボを止めても縮小が続いていく

こともまれにあります

 

効いて増大したのか?

効かないから増大したのか?

どっちやねん と

 

見極める方法が無いので

なかなかややこしいです

 

 

オプジーボが登場したばかりの頃は

三次治療以降でしかも単体

イチかバチかな感じで使われていたので

腫瘍の増大が見られた場合は

 

あー効かなかったねー

はい、オプジーボ終了!

これで標準治療はすべて終了!

 

という感じでした

 

 

ただ、その後放っておいても

患者さん元気になっているし

どうしたんだろう?と思っていたら

実は腫瘍が小さくなっていた

なんとことも稀にあったわけです
 

 

確実に判別を付ける方法が無いので

どりあえずオプジーボを続けますが

(腫瘍の増大で)状態が悪くなったら

そこで終了するしかありません

 

 

 

さて、最近は

オプジーボ+化学療法

というメニューが多くなっているので

 

もしオプジーボでHPDが起きても

抗がん剤のフォローがあります

 

化学療法の効果>オプジーボによる悪化
という力関係があれば

腫瘍は小さくなっていくので

 

最近はHPDの報告が少なくなっています

 

こんな質問もいただきましたが

 

 

レンビマは抗がん効果以外の作用で

キラーT細胞の活性化があります

 

エーザイ/「レンビマ」の売上伸長が寄与、通期営業益は前年比112% - ログミーファイナンス

~エーザイ資料より~

 

抗がん剤作用+キラーT細胞活性化

という2つの作用があるので

肝転移があったとしても

HPDは非常に起こりにくい

と思います

 

 

治療成績も悪くないですし

子宮体がん:二次治療(OS、PFS)】「キイトルーダ+レンビマ」vs「化学療法」 | 日本がん対策図鑑

 

安心して治療を受けてください

 

 

 

そういえば、

免疫抑制型の患者さんもいました

 

キラーT細胞 18.2%

制御性T細胞 18.0%

 

あるがんのステージ4の方ですが

免疫抑制がかかっている状態で

がんへの攻撃が弱くなっているので

遠隔転移が起こってしまったのも

仕方がないのかもしれません…

 

 

 

免疫力検査(採血)

費用 33,000円

日数 2-4日

*平日のみ検査可能です

 

 

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