銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。
今回はこちらの続きで
二次治療の話です
胃がんの二次治療は2015年から
HER2の陽性陰性に関わらず
パクリタキセル+サイラムザ
この一択でした
*サイラムザはアバスチンと同じ血管新生阻害薬
乳がんでHER2陽性の場合だと
ハーセプチン→カドサイラ
という流れになるのですが
HER2陽性胃がんの場合には
カドサイラを使っても
パクリタキセル+サイラムザに及ばず
二次治療で抗HER2薬は登場しません
そんな中で2021年のガイドラインから
二次治療にキイトルーダが登場します
高頻度マイクロサテライト不安定性
(MSI-High)の胃がんの二次治療は
キイトルーダが勧めらます
ただ、キイトルーダを使うためには
遺伝子パネル検査が必要です
遺伝子パネル検査を保険で受けるには
以下の条件を満たさなければなりません
・標準治療がない、又は終了する見込みである固形がんの方
・原発不明がんの方
・希少がんの方
二次治療でキイトルーダを勧めても
一次治療中 or 一次治療が終わりかけ
の状態では保険適応にはならず
結局は使えないことになります
せっかく選択肢が増えたのに
何だなかなぁ…という感じです
もちろん、自費でも良いという人は
一次治療中でも受けることが可能です
MSI-High=抗がん薬が効きづらい
という特徴のがあるので
治療前に遺伝子パネル検査を行えば
効果の低い抗がん剤ではなく
はじめからキイトルーダを選択できる
という大きなメリットがあります
また、キイトルーダは
数年単位で長く効く人もいる上に
免疫チェックポイント阻害薬の後に
抗がん薬治療をすると
抗がん剤治療の効果が高まる
ということも分かっているので
MSI-Highの胃がん患者さんは
胃がん全体の5%ほどしかいませんが
もしMSI-Highだったら
二次治療 キイトルーダ
三次治療 パクリ+サイラムザ
四次治療 従来の三次治療
という恩恵を受けることができます
ってなったら、自費でもいいから
遺伝子パネル検査はした方が良い
ってなっちゃいますよね…
少し安い遺伝子パネル検査
Guardant(ガーダント)360が
今年から使えるようになりました
昔よりは安くなったとはいえ
40万円くらいはかかりますが…
★当院「銀座みやこクリニック」のホームページ”もぜひご覧ください★