銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。


 

早めにというリクエストがあったので

しばらく胃がんシリーズをやります

(次は悪性リンパ腫の予定です)

 

 

日本人は胃がんで死亡する人の割合が

世界の中でも上位よりとなっています

 

世界ランキングというサイトによると

172か国中の25位ですね

 

ところで、

この表をみて何か気付きませんか?

 

実は、北米とヨーロッパが

25位以内に全然入っていません

 

中央アジアと南米がほとんどです

 

世界地図で表してみますと

人口10万人あたりの胃がんによる死亡数(年齢調整値)ランキングマップ

上位国が濃いオレンジです

 

 

その理由は何でしょう?

北米や欧州は医療水準が高いから?

 

答えはノーです

 

胃がんの原因となるピロリ菌の

感染率が高い地域と一致するのです

 

ただ、例外があって

アフリカ諸国は感染率が高いのですが

毒性が弱いピロリ菌がほとんどで

胃がんになにくいと言われています

 

実は日本の中でも沖縄県は

アフリカと同じ毒性の弱いタイプの

ピロリ菌がほとんどなので

胃がんり患者数も死亡数も少ないです

 

 

 

 

逆に、り患率や死亡率が高いのは

日本海側の都道府県です

全国のがん罹患状況を公開 胃がんは日本海側に多い がん研究センター | ニュース | 保健指導リソースガイド

 

日本海側で多い理由として

ピロリ菌が好む高塩分食の環境や

発がん性を高める喫煙が多いことが

考えられています

 

 

まとめると

・毒性の強いピロリ菌に感染している

・ピロリ菌が好む環境を作っている

 (高塩分食・喫煙)

上記に当てはまる人が

胃がんになりやすいと言えます

 

胃がんは遺伝する訳ではありませんが

胃がん患者と同じ環境で育ったのなら

ピロリ菌に感染しているかもしれません

 

身内に胃がんの人がいる場合は

一度はピロリ菌検査を受けるべきです

 

 

 

ちなみに、胃がんになりやす年齢は

50歳以上と言われています

(胃がん検診も50歳以上です)

 

 

 

ピロリ菌が長年かけて胃を荒し

 =慢性胃炎

胃がんの下地を作っていくので

 =萎縮性胃炎

50歳未満の胃がんは少ないです

 

若いうちにピロリ菌感染を見つけ出し

ピロリ菌を除菌することで

将来の胃がんのリスクを減らせます

 

 

中学生のうちにピロリ菌検査を行い

胃がん撲滅を目指している

自治体もいくつかあります

 

 

 

 

ただ、胃がんの下地を作らずに、

(時間をかけて萎縮性胃炎にならずに)

ダイレクトに胃がんを発症するケースが

10%くらいの割合で存在します

 

それがスキルス胃がんです

 

 

タレントの堀江しのぶさんが

なんと23歳という若さで

スキルス胃がん亡くなりました

 

格闘家の山本KID徳郁さんも

39歳という若さで

スキルス胃がんで亡くなりました

 

 

スキルス胃がんも通常の胃がんと同じく

ピロリ菌感染がきっかけとなりますが

 

なぜ通常の胃がんと異なり

萎縮性胃炎を経由せずがん化するのか

それはまだ解明されていません

 

 

また

スキルス胃がんは増殖がとても速く

転移が多いという特徴があります

 

標準的な胃がんの治療法では

スキルス胃がんに治療効果が不十分で

 

スキルス胃がんに特化した治療法の

開発が強く望まれています

 

 

 

次回は胃がんの標準治療について

 

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