銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です。
子宮体がん(子宮内膜がん)は
ステージ1~3までは
比較的予後は良いのですが
ステージ4になると
急激に予後が悪くなります
子宮体がんは
・放射線治療が効きにくい
・抗がん剤が効きにくい
という特徴があります
なので基本は
手術でいかに取り切れるか
が重要となってきます
子宮体がんは他のがんと異なり
ステージ4でも手術が行われます
(腫瘍の量をできる限り減らすためです)
まずは手術を行い、その後
・取り残しがある場合
・再発リスクが高い場合
は抗がん剤±放射線治療となります
子宮体がんに使用される抗がん剤は
アドリアイシン+シスプラチン
(AP療法)
パクリタキセル+カルボプラチン
(TC療法)
ドセタキセル+シスプラチン
(DC療法)
のいずれかしかありませんでした
しかし、昨年(2021年)末に
キイトルーダ+レンビマ
が二次治療で承認となりました
承認のもとになった臨床試験
実に15年以上ぶりの新治療です
子宮体がんでもそうだったけど
チェックポイント阻害薬がなければ
この領域の抗がん剤治療は
あと10年は進まなかったと思います
他にも
今年3月に発表された臨床試験
イミフィンジ(抗PD-L1薬)
+
リムパーザ(PAPR阻害薬)
やっぱりこちらでも
免疫チェックポイント阻害薬です
日本でもこんなのが始まっています
イミフィンジ(デュルバルマブ)
+リムパーザ(オラパリブ)
+化学療法(TC療法)
現在、第3相試験中なので
数年後には承認されるかもしれません
他には今年1月に発表された
こんな臨床試験も進んでいます
(まだ第2相試験)
フェマーラ(ホルモン治療薬)
+
アフィニトール(mTOR阻害薬)
化学療法前に行えば
無増悪生存期間(がんが進行しない期間)が
驚異の28か月!!
従来の抗がん剤治療(TC療法など)や
免疫チェックポイント阻害薬以外で
今後一次治療となる可能性があります
もう一つ、ホルモン治療の臨床試験
ビスツルセルチブ(mTOR阻害薬)
との組み合わせです
子宮体がんの治療法の今後は
抗がん剤しかなかった状態から
チェックポイント阻害薬が登場し
予後が大きく変わりそうです
そしてさらに
mTOR阻害薬併用のホルモン療法
が予後を大きく変えそうです
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