今日はこのニュースばかりですね。

 

1回3349万円の白血病治療薬、保険適用を決定

 

 

一昨年、アメリカをはじめ各国で承認され

1回の治療で5400万円(当時のレート)かかると

話題になった白血病の治療薬です。

 

白血病の治療薬といっても、

・再発または難治性のCD19陽性のB細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)

・再発または難治性びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)

という特殊なタイプの白血病にのみ適応となります。

 

 

商品名はキムリア®

治療法はCAR-T療法といいます。

 

CAR-T療法とは

がんを攻撃するT細胞の遺伝子を改変し

がん細胞を見つけやすくすることで、

(かつT細胞を大量に培養する)

白血病細胞を攻撃する治療法です。


発売元であるノバルティス社のHPに

分かりやすい動画があります。

 

https://www.novartis.co.jp/innovation/car-t

 

 

 

キムリア®の価格が予想より抑えられたのは、

オプジーボの発売当初の年間3500万円を

意識したものかもしれません。

 

厚生労働省のHPには

算定の考え方が載っています。

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000508918.pdf

 

 

キムリアの適応となる患者数は

年間216人という予測されており、

約72億円の医療費がかかります。

 

現在、年間の医療費は毎年1兆円ずつ増加し、

2025年には50兆円が予測されています。

 

2016年度は医療費42兆円のうち、

高額療養費の支給総額は2兆5579億円でした。

 

総額と比べれば、そこまで多くはありませんが、

今後高額療養費の支給は益々増えていいます。

 

 

保険料を支払う健康保険組合も大変です。

 

今年の4月には、人材派遣の保険組合が

赤字を理由に解散したばかりです。

国内第2位の健康保険組合、解散を決定 51万人が加入

 

 

高額な治療薬がどんどん出てきて

医療経済を圧迫していく中、

さすがに命にかかわるがんに対しては

保険診療は最後まで守られると思いますが

いつまでもつか分かりません。

 

 

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