よろしく ダーリン。♥♥~
~Secret Romance in Palace~
「…え?
…だって、僕…、
…新学期が始まるまでここで…、
…その……ユンホ様の…」
ジェジュンは、不安で胸をいっぱいにしながら、
自分が王宮に居る理由を、ユンホが納得できるように
説明しようとしどろもどろに話し始めた。
口から出した歯ブラシを両手で握り締め、
緊張したように硬い表情になったジェジュンの顔を見たユンホが、
「ああ~、そうじゃない!
なんで、ジェジュンが、今、ここにいるんだ?
いままで、ここで会うなんてことなかっただろ?!」
「…あ、
それは、今日はお弁当を作る必要がなかったから、
いつもより遅く起きて顔を洗っていたからで…。」
「…なんだ…、
そうゆうことか…。」
「?」
「いつも会わないところに、
いきなり居るから驚いただけだ…。」
「…あ…はっ…。
…びっくりした…。」
ジェジュンは、一気に肩の力が抜けた。
「ユンホ様~、
もう、ビックリするじゃないですかー!
不機嫌そうな怖い顔して『なんで、お前がいるんだ!』なんて言うから、
僕、ユンホ様が、僕が王宮に来ていることを
忘れちゃったのかと思いましたよ~~!」
「何ばかなことを言ってるんだ。
そんなことあるわけないだろ。
毎日、毎晩、記憶に焼きつくような事する奴のこと忘れるか。
突拍子のないこと思い付くやつだな~。
ま、お前のやることは、いつも俺の予想外だからな。
あはははは。」
「もう!
ユンホ様~!
朝から人のこと脅かしといて、ひどいですよ~!
…でも…、ユンホ様だって…、
人のこと笑えないですよ…。」
「…あん?」
「フフフ…。
そんな、髪の毛跳ねさせて、
ユンホ大君ともあろうお方が笑っている場合ですか。」
ジェジュンが上目づかいにユンホの頭の上を見上げ、
両手で握りしめていた歯ブラシから右手を離すと、
その手でユンホの頭を指さして、クスリと笑った。
ジェジュンに笑われ、眉を顰めたユンホが、
鏡をのぞき込んで、頭の天辺でもっさりと跳ねた髪を確認すると、
チッと舌を鳴らしてから、急いで手で押さえた。
ジェジュンは笑いながら、
自分用の白いコップに水を入れると、
口を漱ぐために水を口に含んだ。
横から視線を感じて、横目でユンホを振り返ると、
首を傾け腕を組んだユンホが胸を反らせるような姿勢で
ジェジュンをじろりと見ていた。
ジェジュンは、ユンホの何か言いたげな表情に気付いたが、
含んだ水を吐き出すためにシンクに向かってかがみこんだ。
その時、
「お前だって、人のこと言えるか。
ここ、跳ねてるぞ。」
ユンホの手が、屈み込むジェジュンの後頭部をぐしゃっと掴んだ。
「ブッ!」
ジェジュンは、驚いて含んでいた水を思い切り拭き出し、大きくむせた。
ゴホゴホと咽るジェジュン。
「…おい、いちいち反応が大げさだ…。」
「だ…、だって、いきなり頭に触るから…」
口元を手の甲で拭いながら、上目づかいでユンホを見上げる。
むせて赤くなった顔で唇を突き出し、困った顔で言い分けするジェジュンに
ユンホが呆れた目をして言った。
「そうだったな…。
お前は、『急に』とか、『いきなり』は、ダメだったな。
まったく…。 ・・・いい加減、慣れろ。」
「そんな、慣れるなんて無理ですよ…。
ドキドキだって治まらないのに…、
触られたりしたら、そんなの無理…」
ブツブツと独り言のように言ったジェジュンが、
ユンホに触られた後ろ髪を押さえながら、
ますます赤くなって俯く。
「や、やめろ!
見てるこっちの方が恥ずかしくなるだろ。
わああ~~~!」
唸り声を上げたユンホがジェジュンの髪を両手で掻き乱した。
「え~~!」
いきなりのことにジェジュンが驚きの声を上げ、
大きく見開いた目でユンホの顔を見つめ返した。
頭の天辺の髪を跳ねさせたユンホと、
頭全体の髪をぐしゃぐしゃにされたジェジュンの目が合う。
2人とも互いの頭と顔を見合って、
“朝から何をやってるんだ”という気持ちになった。
ユンホの左の口角が上がり…、にやりと笑う。
ジェジュンもくすくすと笑い出した。
つづく
10年後の『よろしくダーリン。』のユンホとジェジュンから、
愛するみなさまへ…
みなさんの推察力に、ドキッとしました。
2人に何か起きても、結局は、イチャイチャへつながるんです。
それが、ユンジェストの楽しみですからね~。
それに、そんな風にしか私は書けないようです…。 By 安寿子
(画像はお借りしています)