一夜物語 6 ~ 雨… ~ ④ | ねーさんの部屋

ねーさんの部屋

ユンジェの妄想部屋です(時々旅グルメ)


両腕を解いてユノの頭を解放したジェジュンは、
ユノの頭にかぶさっていたタオルを下ろすと、
ユノの顔を外気にさらした。



くしゃくしゃにかき乱されたユノの濡れた髪を
両手の指を櫛代わりにして整えてやりながら、
ユノの黒目がちの瞳を覗き込むようにじっと見つめると、
急に、…にんまりと笑った。




「この話…、
初エッチのことも書いてあるんだけど…、
オレたちの“初めて”の時って、
入れたりしなかったよね~。
触りっこしただけで、イケたし、
“入れてほしい”なんて思わなかった。
オレって~、
ユノの身体のどこかに触れてるだけで…、
ユノに抱きしめられてるだけで、本当に気持ちよくて、
フワフワした気持ちになってたからさ~。」



ジェジュンは、ウフッ、と笑ったあと、
小悪魔的な上目づかいになると、
小首を傾げてユノの顔をじっと見つめた。



「だけど~、
この手の話の中じゃ、大体、オレって、
最初から、入れられてマジ感じちゃってるし、
ユノに入れてほしくてたまんない人に書かれてるけど、
ユノとのホントの初めての時は、痛くてたまんなかったのにさ。
もう、絶対しない!って誓ったくらい。



…でもさ~、
ねぇ、ユノ~、
オレ達みたいなのって、“初めて”って、
どれになんのかな~?
アレに初めて触った時?
それとも、やっぱり入れた時?
ねぇ、どっちだと思う?」



ジェジュンがユノの反応を楽しむように意地悪く質問する。



「なんだよ…、ジェジュン…。
切ないって泣いて、その涙も乾かないうちに、
急に、初エッチの時の話しだすなんて…。
ったく…、ジェジュンらしいな~。」



片眉を下げたユノが、
ジェジュンのにんまりと笑う顔を見下ろしながら
呆れて呟く。



しかし、そこはユノ。


ジェジュン以上に、デリカシーには欠けるので、
ジェジュンを赤面させる発言が続く。



「でも、…あの時は、悪かったな…。
ジェジュン、あの後、しばらくまともに踊れなかったよな。
腰に全然力入ってなくて、ヨタヨタしてたし…。
俺も焦った…。
3人からは白い目で見られるし。
マネージャー達からも遠回しに注意されるし、
カムバック前にはしちゃいけない、って反省したもんなー。
なのに、あの後、ジェジュンはやたらと
俺にくっ付いてくるし。
愛想がよくて、にこにこしてて、やたら可愛くて、
理性保つの大変だったんだぞ。」



バツ悪く過ごした数日間のことを思い出して、
子供が拗ねた時にするように下唇をつきだし、
いかに自分が困ったかを言って聞かせていた…が、
「あ…」と、今度はユノも何かを急に思い出したのか、
ジェジュンに確認するように聞いてきた。



「…でも、
その~…、



今は…、痛く…ないんだろ?



…ない、よな、
自分から入れるくぅ!#%&…」



「自分から入れるくらいだから」と言おうとするユノの口を、
頬を赤くしたジェジュンの手のひらが塞ぐ。



「もう!
素面の時に、それ以上のこと言うな!
恥ずかしいだろー!」



赤い顔のジェジュンが、
きょとんとした目をしたユノをギッと睨む。



「ユノは、話すときはオレ以上に明け透けだから、
そんな話、他の人の前でするなよ。」



ユノは、“どっちが!”と思った。



ジェジュンは、
自分で話す時はボロリと大胆なことを言い出すくせに、
人から指摘されたり、聞かされると妙に恥ずかしがる。




しかし、そう思いながらも
ジェジュンの言葉を聞いたユノは、
無意識に、ジェジュンの顔を見ていた視線を、
ツツーッと横に逸らしていた。



その反応に目ざとく気付いたジェジュンが、
両目を見開くと大きな声を出した。



「まさか…!
ユノ…、誰かに話したことあるの?!」



驚いたジェジュンの手が、ユノの口元から外れる。



「…あ…、
…いや~…、
…ない、と思う…けど…」



ユノの視線が、動揺したように彷徨う。



「…しゃべったな…、
ユノ…。」




「・・・・」




「ユノ~~!!!」





               つづく