よろしく ダーリン。♥♥~
~Secret Romance in Palace~
「…ハァーーーーー!」
カッと目を開いたユンホが、
止めていた息を思い切り吐き出した!
左手で胸を押さえると、
ジェジュンが出て行ったドアに背を向けるように
ユンホは寝返りを打った。
ジェジュンが横に寝ていた間、
右腕を動かすこともできずに、寝返りさえ打てなかったのだ。
痺れる右腕を擦ると同時に、ドキドキと早鐘を打つ胸も擦った。
「…ったく、あいつは、女か!
抱き付いてきたり、…キスしたり…。」
“キス”と口にした後、ハッとして、
ジェジュンのキスした左頬を左手で押さえた。
昨日の夜、とうとう、揺すり起こすこともできずに、
安心しきって眠るジェジュンを両腕で抱えあげて、
自分のベッドに運んだ。
大事そうに胸で握りしめている香水の瓶を、
手の中からそっと取り出し、ポケットに入っていた携帯と一緒に、
ジェジュン側の枕元に置いた。
ジェジュンの頭の下から、腕を引き抜こうとした時、
ジェジュンがユンホの側に寝返ると、
ユンホの肩にピタリと頭をくっ付けてきた。
ユンホは、ドキッとして固まり、
それで動けなくなり、
諦めてそのまま眠った。
眠ったと言っても、熟睡できるはずもなく、
ジェジュンの身動きを絶えず意識して、
目を閉じてはいても、脳は眠ることがなかった。
朝方、さすがに眠っていたようだが、
さっき、抱き付かれた瞬間に目が覚めた。
ジェジュンの右腕が身体に回された時、
とっさに、その腕を外そうと、
反射的にジェジュンの手首を掴んだ。
しかし、そうはできなかった。
何故か…。
答えは簡単だ…。
“嫌”…じゃ…なかったから…。
ジェジュンに、懐かれたり、
甘えられたりするのが嫌じゃない。
むしろ…、
…もっと、
…甘えたらいい…とさえ思い始めている…。
だから、ジェジュンが、
ユンホの身体に擦りつくように、
身体をくっ付けても、引きはがすことはできなかった。
ユンホは、胸を押さえながら、
まんじりともせずに考えた。
“ユンホ様…。
僕のこと…、
少しは、…好きになってくれてますか…?”
ジェジュンの呟いた小さな声がよみがえってくる。
「…お前のこと…、少しは、…って?」
ジェジュンの問いに答えるように呟く。
「…少し、なんかじゃないな…、もう…。」
ユンホは、パタリと仰向けに寝返ると、
少し重く感じた胸を軽くするように
肺の中に溜まった空気をふーーっと長く吐きだして、
じっと天井を見つめた。
つづく