よろしく ダーリン。 20 | ねーさんの部屋

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ユンジェの妄想部屋です(時々旅グルメ)

  

   よろしく ダーリン。♥~
      ~Secret Romance in Palace~




ユンホが調子悪く思いながら、
ジェジュンの顔から視線を上に上げた時、


「アーーー!」「キャーー!」


という異変を訴えるような悲鳴が上がった。



「危ない!」と声が聞こえた瞬間、
ユンホは、左腕をジェジュンの頭に回し、
身体を捻りながらジェジュンの身体を胸に抱きしめた。



何が起きたのか分らないジェジュンが、ユンホの腕の中で、
両手を胸に抱きしめた格好で固まる。



バンッ!



大きな音を立てて、
2人の頭のすぐ横の壁にバレーボールがぶつかった。



ユンホは、2人の方に飛んできたボールをよけるために、
ジェジュンを胸に抱き込みながら屈みこんだのだった。



「大丈夫ですか?! ユンホ!」


「ユンホ殿下!」



チャンミンや他のクラスメート、SPが慌てて走り寄ってくる。



ジェジュンを胸に抱いたまま、ユンホは立ち上がると、
「大丈夫だ。なんともない。」と、右手をあげて伝える。


そして、SPにも元の配置に戻るように指示をした。



ガヤガヤと周りはうるさいのに、
腕の中が全く静かなことに気が付いたユンホが、
腕の中のジェジュンを覗くと、ピクリとも動かずに固まっていた。



ユンホは、ジェジュンの背中に手を当てると、
俯くジェジュンに声をかけた。



「いきなりだったから、驚いただろ?
大丈夫か?」



俯いたジェジュンが、こくこくと何度も頷いた。



しかし、胸を押さえるようにしているジェジュンの両手が
小さく震えていることにユンホは気が付いた。



「あははは。
そんなに怖かったのか?
大胆なくせに、気が小っちゃいのか?
なぁ、キム・ジェジュン?」



ユンホは笑いながら、震えているジェジュンの右手に、
自分の左手を伸ばして、しっかりと握りしめてやった。


そうしながら、ジェジュンの顔を覗きこんだ。



ユンホがジェジュンの右手を握った瞬間、
ジェジュンの身体がびくりと跳ね、
ジェジュンが驚いたように顔を上げた。



ユンホは、その瞬間、
しっかりとジェジュンの顔を見てしまった。



まるで全裸でも見られた乙女のように、
真っ赤な顔で瞳を潤ませたジェジュンの顔を。



予想外のジェジュンの反応に、
ユンホは、声も出せずにジェジュンを見つめてしまった。



ジェジュンは、
「あっ…」と口を開けたまま言葉も出せないようだった。



そして、ユンホの顔を一瞬だけ見つめ返したジェジュンは、
すぐに顔を背けると、
ユンホの手を払って、その場から走り去ってしまった。



体育館の扉を開けて出ていくジェジュンの姿を目で追いながら、
呆気にとられていたユンホは、
後ろからかかった冷静な声で我に返った。



「かわいいじゃないですか。
真っ赤になっちゃって。
今どき、女子にだっていませんよ。
あんな反応する子は。」



「…チャンミン…。
本当に、お前って…いくつなんだ…?」



チャンミンを振り返り、呆れながら、ユンホは言った。




               つづく