まるのふるさとへの旅の続きです。

 

 

 

ふるさとの海へまるのお骨の一部を

帰したお話はこちらです。

 

まるの里帰り その1

 

 

 

次の目的地は須賀川市の阿部農縁さん

 

こちらの農縁の代表寺山佐智子さんと

知り合ったきっかけはやはり震災でした。

 

須賀川市は福島県の中部に位置し

福島第一原発からは離れています。

にもかかわらず風評被害で困っている 

ということを何かで読んで

野菜の宅配便をFAXで注文しました。

 

すると速効お礼の電話がかかってきました。

電話がかかってくるとは思ってもいませんでしたから

「福島から電話!」と驚いたのが第一印象

熱い思いが伝わってきました。

 

それから時々野菜便をお願いしました。

いまでは月一回の定期便と桃や梨といった

季節の果物を送ってもらっています。

知らないお野菜がはいっていたり

美味しい果物を楽しみにしています。

 

民宿もされているのでそちらで

この日はお世話になることにしました。

 

 

ということで浪江町から須賀川市へ向かいます。

直線距離だと近く見えるものの

山を越えていくコースです。

 

だんだん山道になっていきます。

出会う車の数も多くはありません。

 

やがてこんな看板が目につくようになります。

IMG_3898.jpg

 

いくつもいくつも立てられています。

どのくらいの範囲でしょうか。

 

幹線道路はこの看板がたっていますが

そこから集落へ続く道は

封鎖されています。

 

ところどころ汚染土などの除染廃棄物が

入っているのでしょう

黒いフレコンバッグが無数並べられている場所が

何カ所かあります。

 

 

 

バス停に到着時刻は記載されていません。

今はバスも通っていないのでしょう。

その後ろにも無数のフレコンバッグが並べられています。

IMG_3904.jpg

 

 

きれいな川が流れる静かないいところです。

夏は川遊びが気持ちよさそう。

 

そんな場所にも目には見えない

放射能が存在しています。

 

この景色との対比がなお不気味です。

 

 

 

話はそれますが先日映画を観に行きました。

2011年3月11日の福島第一原発で

なにが起こっていたかを描いた

Fukushima50

 

この映画を観てあの原子力発電所で

働いていた方々のふるさとは福島だということ

その家族もまた地元に住み

あの事故の被災者だということ

所員の方々はふるさとを家族を守るために

文字どおり命がけで作業されていたことを

あらためて知りました。

 

 

この映画を観た人は

「大変な事故だった

二度とこんなことが起こらないように

語り継がなくてはいけない」 

と終わったこととして受け取って

欲しくないなと思います。

 

原子炉の冷却水が

タンク一杯になるのも時間の問題である

そのため除染された冷却水を

海に放出するか否かが

議論されていることをニュースで知りました。

 

除染されたとはいえ

すべての放射性物質が

除かれたわけではないのです。

 

まるを帰したあの海です。

あの時行った請戸漁港の漁船が

漁をする海です。

 

 

 

原子炉が廃炉になるまで

後何十年という時間がかかります。

 

まだまだ現在進行形であること

ゴールがまったくみえていないことを

忘れてはいけないと強く思います。

 

 

 

ちょっと重い話になりました。

次回は楽しい美味しいお話をお伝えする予定です。

 

 

 

さて日が暮れるまでには

山を越えたいとちょっと焦る。

と言っても私は運転してないんだけど。