江戸前瓦版 | 銀鱗堂のブログ

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前回少し重い話をしてしまいました。

でも、作っているものと重ね合わせてみようと思います。

人気の高い印伝紐巻きです。

印伝はいつもお話ししていますが、鹿の革で、スウェードになっています。それに漆に顔料を混ぜて伊勢型紙でプリントするわけですが、動物の革というのは、動物愛護協会みたいなところからは指摘されることもあると思いますが、人間が生活するようになって(原始時代)最初に使った材料ではないかと思います。

動物を狩って、肉を食料にして、残った皮で服を作った、という流れです。それから皮に唾をつけてこすってみたり、草木の汁をつけてみたり、煙で燻してみたりして革になっていったわけです。

だから環境循環の中のことなので、責められることはないわけです。ナイロンやポリエステルを使っている方がよっぽど環境には悪いわけです。

そんな皮にプリントしているものが漆で、植物から採れる樹液が原料です。昔は兜などにも使われていて色々な紋柄を入れて願掛けをしたりしています。また防水性があって抗菌、消臭性もある優れた自然のコーティング剤でもあります。ただ、原料を搾取することが大変で、時間がかかるようです。国内ではあまり取れないため、殆どが中国産のようですが、結局希少だという理由で値段が張り、量産が難しいために化学薬品で代用のものを開発してしまうわけで、それが環境に影響をし、回り回って自分たちの生活を脅かすことになったりするわけです。

内側に使っている江戸小紋は、生地は絹100%で、それに化学染料や助剤を混ぜた顔料で抜染して柄を入れるわけです。

江戸時代は完全天然染料100%だったでしょうね。

組み紐も同じです。絹100%

完全オーガニックになれば良いとは思いません。無理ですし。

今の世の中を安心して暮らしていくことは、なかなか厳しいのでしょう。世界各国で有事的なことが起こっていて心配ですが、それよりももっと大事なことは、有事が全くなくなってもこのままだと心配で安心できないということ。

こういった材料で作るには、やはりこういったお守り的なものがぴったりきますね。昔はものを作るということは何か必要な目的があって、それを満足するものを作ったわけです。

今は欲望が先ですね、欲望を満たすために本来の目的よりの見た目や値段などを満足させるために開発を行ってしまっているように思います。

こんなお守りを懐に入れて安心できる生活を送れるようにいたしましょう。