長くお付き合いのある患者さんがいました
知人医師より紹介されて来院しました・・というNさんです
もともと薬に敏感な体質ゆえ
標準治療の抗がん剤が継続できませんでした
仕事命の人でした
統合医療をベースにし、自分の体と対話しながら
仕事の両立を図っていました
ふらっと来院しては、近況報告をし・・
調子が悪くなると、専門医療機関で部分的な治療を行い・・
またふらっと来ては、次の治療相談をし・・・
実際当院で治療したのはそれほど多くなかったような・・
自分の生き方をしっかり持っていて
最期は海の見えるところ、○○クリニックに行きたい・・
事前に見に行こうかな・・
などなど話をしていました
1年、2年、3年が経ち、連絡が途絶えました
それから数年後
「ご無沙汰していました~
丸山ワクチンや漢方、そして、1番免疫が上がる「仕事」を頑張っていました~
さすがに咳がひどくなり、三好先生にお世話になりに来ました
抗がん剤開始しますわたし」
治療を開始したNさん
点滴中も仕事の電話がかかってきます
電話中は、自然と咳も止まります
不思議です
時には
「友人で同じ病気の人がいる」と、心配します
「私は三好先生はじめ、いろいろ相談できる人がいるのに
友人は相談できる人が居ない・・」 と自分のことのように心配します
心優しいNさんです
月日は経ち、Nさんの病状も進行します
食事量が減り、通院も辛くなってきます
どう生きたいですか?
隠し事無しの関係性より、最期の話をします
病院は嫌だわ・・
老猫と一緒に居たい・・心配なの
知人医師にお願いし、在宅診療を開始しました
介護保険も活用しました
酸素を導入し、呼吸が少し楽になりました
痛み止めを上手に使い、日常生活が楽になりました
嫌がっていた車いすもレンタルしました
在宅チームが頑張ってくれました
自分の集大成を・・
ピンクの勝負服を来て、車いすで向かった先は
仕事場でした
私がその姿に出会ったのは、在宅医より看取り報告があった数か月後でした
YouTubeで出会いました
ピンクの勝負服を着、車いすで登壇していました
酸素を使い浅い呼吸ではあるものの、ゆっくりと、しっかりした口調です
約10分にわたる自身の想いを言葉にしています
丁寧で、優しく、でも、自分の経験による問題提起です
自分がこの場で話をするのはきっと最後・・
想いが伝わります
話がおわると
「この場で話をさせて下さりありがとうございます
全ての関係者、同僚に感謝します・・」
丁寧に何度何度も頭を下げていました
渾身の訴えです
最後まで仕事命のNさんでした