ある日の電話相談です
「すみません、初めて電話します・・」 すでに涙声です
声の主は女性
家族が希少がんに罹り
見つかった時は進行していて、手術が出来ませんでした・・と
その「病名」と「手術が出来ない」 と聞いただけで、おおよそのことがわかる状態でした
話を聴き進めると
最初の抗がん剤が良く効いて、体調も良くなり食事も出来るようになり
治るんじゃないか・・
いや、治ったんじゃないかと錯覚を起こすほどでした
でも、そのうち抗がん剤が効かなくなり、次の薬に変えたら
副作用が強くて、食事も、水も摂れなくなってしまいました・・
白血球も下がり、継続できなくて・・
ダメージがホントに大きかったんです・・
それでも次の薬に期待して治療したけど
治療してるにもかかわらず、腹水が溜まってきて
どんどん増えて
もうご飯が食べられなくて・・
でも、この薬が最後の薬だからなんとか続けたいし
体力落ちちゃうからなんとか食べさせたいし
これなら食べれるかもって工夫して作っても食べられないっていうし・・
もう喧嘩みたいになって・・
病院も行きたくないし、入院もしたくないっていうし
日中ずっと二人で居るので息も詰まってきて
優しくなれなくなってて
ホント、どうしたらいいかわからなくて・・
でもさすがに腹水がパンパンになって苦しくなって
数日前に予約外で受診したら、その日に即入院と・・
そんなに悪い状態?ってもうびっくりして
もっと早く受診させればよかったって、もう罪悪感です・・
病気がわかった時に色々調べて、結構シビアに考えたけど
でも、抗がん剤が効いたり、まだ治療すればなんとか・・って甘く考えてたのかも
現実は現実で即入院しなくちゃいけないくらい衰弱してたし・・
今後のこと考えてポートを造って高カロリー輸液をしましょう・・って言われて
でも、ポートってどうなんだろう、本人も今一つ乗り気じゃなくて・・
決められなくて・・
でも点滴の血管もなかなかなくて看護師さん泣かせで・・
⇒ 先がとても短い方にはポートの話は出ませんよ
ミニ手術にもなるし・・
当院の患者さんでも、血管がなかなか取れない人や、高カロリーが必要な方には
造ります。 ポートは便利ですよ
そうなんですね・・
先がとても短い場合は話も出ないんですね・・
ってことは・・
本人に話してみます
もう、いろいろ急に進んで
頭ではわかっていても、気持ちや心がついていかない・・
時間ないって言われたようなものなのに
体もついていかない・・動けない・・
泣いてる場合じゃないのに・・
⇒ 本人が入院して、1人の時間ができました
この間頑張って頑張ってきました
精神的にも肉体的にも限界だったんじゃないですか?
今回の入院は、本人にとっては症状緩和入院
家族にとってはレスパイト(休息)入院
双方にとって良いタイミングだったんだと思います
数日間は本当の休息時間にして、その後は退院後の生活準備の時間にしませんか?
ずっと休息時間にしていると、たぶん罪悪感が生じます
なので、期間を決めてここまでは自分の休息時間
その後は・・・と目的を作ると休息時間にも意味ができます、罪悪感がなくなります
いかがですか?
はい、よくわかります・・ほんとその通りです・・
少しだらだらします・・休みます・・限界でした
そのあとは、入院先の相談員さんに相談に行こうと思います
退院した後のこと相談します
なんか、すみません・・
ありがとうございました
多くの家族が共感できるはなしです
レスパイトは大事です
ホントにホントに必要です