80代のMさんは、いわゆる「がんサバイバー」の患者さんです

「がん」と診断され

標準治療を長く続け・・

それでもその治療の継続が出来なくなり

ほかの治療探し、自由診療を続け

結局それも続けられなくなり

当院の治療を希望され来院しました

 

当院の治療も3年以上が経過しました

 

おひとり暮らしのMさん

80を過ぎても、背筋をまっすぐ伸ばし、さっそうと歩いてきます

 

「Mさん、背筋がピンとして、いつも綺麗にしててカッコいいですね

私も見習わないと・・」

 

  「年をとったら綺麗にしてないと、みすぼらしく見えるでしょ

   みすぼらしい人をみるの嫌でしょ誰だって・・

   周りに迷惑かけないようにしないと・・

   これでも努力してるのよ私ビックリマーク

 

これは、Mさんと私の女子トイレでの話です

お茶目で、可愛くて、凛としてて・・・いろんな形容詞が当てはまるMさんです

 

その人柄か、地元の先生も治療経過を見守って下さり

3年以上も急激な進行がないことを不思議がっていました

 

あるときから、息切れを訴えるようになりました

肺に水が溜まってきました

呼吸苦が出現したため、胸水を抜く治療を行いました

 

水の溜まるスピードが早くなり、呼吸苦も強くなったため

入院治療を行うことになりました

 

「退院したらまた抗がん剤治療受けられますか?」 と、三好先生に聞いてきてほしいと

本人に代わり親族の方が来院されました

 

三好医師も厳しいことは承知の上で

「退院したら来てください」とメッセージを伝えました

 

    その後Mさんは自宅に帰ることなく、入院先の病院で永眠されました

 

親族から報告が入りました

「報告が遅れ申し訳ありませんでした

お陰様で先日無事に納骨が終わりました

誕生日に納骨したんです

長いことお世話になりありがとうございました

 

ただ、私たちもまだ気持ちの整理が出来ず

住まいはそのままになっています

 

迷惑かけたくないっていつも言っていて・・

家に入ると、驚くほど整っていて・・

箪笥の中をみるとTシャツにまでアイロンがかかっているんです

大事なものは1か所にまとめていて・・

ホントにきちんとしている人でした」

 

話を聴きながら、Mさんの自宅での生活を想像していました

<ひとり暮らしだから迷惑をかけないようにキチンとしなくちゃ・・>

生活の全てがそうだったのだと思います

 

Mさん

カッコいいです

素敵な生きざまです

見習いたいです

 

Mさんとの数年間で多くのことを学ばせていただきました

 

ありがとうございました