診察のあとで、三好Drから
「○○さんの点滴中に入って!」 と連絡入ることがあります
それは、
患者さんの病状に大きな変化があったり
悪い話のあとだったり
診察室で不安を口にしたり
逆に無理に元気にしてる様子だったり
いつもと違ったり
なにか気になる様子があったとき など
ある日連絡を受け、Aさんの抗がん剤点滴中に入りました
こんにちは・・少しお話しよろしいですか
久々にお会いしたAさんは、不安げな顔です
眼がとても不安で、それと裏腹に言葉は
「先生が心配して岡田さん呼んでくれたんでしょ・・
私は大丈夫・・大丈夫なんです・・」
ううん・・私おしゃべりに来たんですよ
うちの治療も、もう1年以上になりましたね
もうベテランさんです・・
治療も長くなると、もうどうでもいいかな~~って思うときありますよね?
「そうそう、これがいつまで続くのかな・・って思うことあります
夜眠れないときなんかは特にそう・・
もうこのまま居なくなりたいって悪いことばかり考える」
そうですよね・・
でも、朝起きると「あっ、ご飯作らなくちゃ」とか
「天気がいいから洗濯しなくちゃ」って普段通りに動けちゃうんじゃないですか?
「ふふっ、そう・・
でも、家族に迷惑かけないで自分のことをしたいと思って
在宅診療と緩和ケア病院予約してるんだけど
今はまだ、普通の生活出来てるんでまだ大丈夫でしょ・・
でも、その時になったらホントに在宅の人たちがやってくれるのかしら?
相談に行った時は「今は1人暮らしの方でもいろんなサービス使って
自宅で生活出来るように出来ますよ、そう支援しますから!」
って言われたけど・・」
今はずいぶん在宅診療が充実してきてるので・・
特にAさんがお願いしてある○○在宅クリニックは一生懸命に取り組んでるところだし
△△クリニックという緩和入院出来るとこを持ってるし
連携はばっちりだと思いますよ
「そう・・なら安心
死ぬのは怖くない、もう何年も前に「がん」って言われた時に覚悟したから
でも、在宅診療になってからホントに大丈夫かしらって思うと
なんか心配になって・・
大丈夫なのにね・・
もっと具合の悪い人も居て、遠くから通ってる人も居て
私なんか割と近いし、家族も居るのに
大丈夫なのにね・・」
Aさん、そんなに「大丈夫」って言わなくて良いですよ・・
人の気持ちは揺れるので、「大丈夫の日」もあれば
「大丈夫じゃない日」も出ます
でも、それが人です・・
一定の気持ちでずっ~と居られる人なんで居ないですよ
「まあ、そうね
そう言われりゃホントそうね
なんかおしゃべりしたら楽になりました
ありがとうございました」
Aさんの目が少し変わりました
不安を押して自分で自分に「大丈夫」「大丈夫」って言い聞かせていたAさん
これが不安・・って誰かに言えると少し楽になる
でも、家族や身近な人には心配かけるから言えない・・
Aさんの様な方が世の中にたくさん居ると思います
その時が、友人などの「近くの他人」の出番です