クリニックに大きな段ボールが届きました

差出人欄には懐かしい苗字が・・

 

段ボールを開けると、新聞で何段にも重ねた柿柿柿柿

自宅で採れた柿を送ってくれたんだ・・と思うと胸がいっぱいになりました

 

送り主は3年前に亡くなったIさんの息子さんでした

80代で亡くなられたIさんですが、当院への通院期間は長く

その間、ずっと息子さんが一緒でした

 

独歩での通院が杖歩行になり

手押し車になり

車いすになり・・ 

 

癌の進行はとてもゆっくりなのに

加齢による変化のほうが大きい方でした

 

忘れっぽくなった

ガスの火を消し忘れるようになった

台所仕事が出来なくなった

頭がバカになった

悲しい涙   と言っていたIさん

 

Iさんに代わって食事の支度や、家事全般を買って出たのが息子さん

仕事を早期退職した・・と聞きました

 

車いすで銀座に来て、治療の後はアンテナショップ巡りが楽しみ・・

なかなか旅行には行けないけど

アンテナショップに行けばお土産か買える笑1

 

そのIさんが亡くなって3年

そして今回柿を送ってくれた息子さん

 

お礼の電話を入れ、息子さんと話をしました

 

  ご無沙汰しています

  母が亡くなって庭の手入れも行き届かず・・

  でも、今年は豊作で300個ぐらいの柿がなりました

  おすそ分けしたいな~~と思って

  不揃いで、見た目は悪いけど、まあ甘いと思いますので皆さんでどうぞ・・

  3年も経つのに、まだ思い出します

  スーパー行けば、これ好きだったな・・とか

  これ食べさせたいな・・って

  ふっと蘇ります

  あの時にもっと優しくしれあげればよかったな・・とか

  苦労させたから病気になったのかな・・なんて

  いや~~3年経ってもそんな感じです

 

  母が生きてたら誰に送るかな・・と思って

  今回銀座に送りました

  きっと自分たちのようながん患者さんは多いと思うので

  これからも頑張ってください

 

Iさんの息子さんからエールを送られました

 

亡くなって 「形」 としての存在は無くなっても

気持ちの中では存在してる・・

それって普通のことで、何年経ったから消えるものでも無いし

悪いことでも無い

 

でも、未だに忘れられない・・

忘れよう忘れようと無理に努力している方も居る

 

遺族の気持ちも様々・・

 

今回の柿は、約70個

70個分の想いを、スタッフ皆で分け合いました

 

 

私たちの中にも、Iさんは存在し続けています