乳がん専門医が乳がんになり

自身の体験を語った記事が掲載されています

 

当院の患者さんと重なる部分がたくさんあるため

紹介したいと思います

 

がん情報サイト「オンコロ」よりhttps://oncolo.jp/feature/20170817k

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

自己検診によって乳がんと確信

       ↓

自分の勤務先や非常に親しい医師ではお互いに気を遣うので、
信頼できる、しかも友人ではない方を主治医に選んだ

       ↓

術前化学療法を受けがんを縮小させてから乳房温存手術と放射線療法を行い、

ホルモン剤を5年間内服するという治療計画を立てた

       ↓

もともと薬の作用や副作用が出やすい体質で心配だったが、やはり出た

 抗ヒスタミン薬 ⇒今までに経験したことのないだるさ出現

 抗がん剤 ⇒ 薬疹・手足のしびれ・激しい下痢

       ↓

抗がん剤の神経障害で全身がしびれて痛みが強く、眠れなかった
このまま抗がん剤の治療を続けていたら、どうなるんだろう、死ぬかもしれないと
暗闇の中で恐怖を感じた

       ↓

自身はかつて抗がん剤の臨床試験を手がけたことがあり、
薬の効果や副作用はある程度はわかっているつもりだったが

実際使ってみると、患者さんでは経験したことがないようなひどい副作用が起きた

ここまでひどい下痢は経験したことがなかった

       ↓

これらの経験から、標準治療とされている薬物療法は副作用の出方に大きな差があり、
誰でも同じように受けられる治療ではないということをあらためて実感した

       ↓

術前化学療法の後、乳房温存手術を受けた

 手術を受けて困ったこと 

  結構大きく切除したので見た目が変わり、整容性が落ちた

  縫合部の傷痕の痛みがひどい (シートベルトが触れたとき、下着が触るとき)

      ↓

術後2週間からホルモン療法開始

  飲み始めて数日後から疲労感が出てきた

  疲労感には1か月くらいで少し慣れたが、それでも無理はきかず
  少しでもがんばりすぎると疲労発作のように疲れて動けなくなった。

  自分自身にはホルモン剤も副作用が軽い治療ではなかった

      ↓

放射線療法

  何とか仕事と治療を両立させながら乗り切った
  一過性の放射線皮膚炎はあったが、対処は専門なので慣れたもの

  放射線療法は負担が少ない治療だと実感した

 

  

 

そして自身ががん治療を経験し、改めて思ったことは・・

 

点“治療で生存率が数%上がったとしても、自分が大事にしている診療や学務、
  研究や人間関係が維持できなければ生きている価値がない”と思った


点私にとって余命を延ばすこと自体は治療選択の基準にはなり得ない

 

点医師が治療を選ぶときに考慮する“生存率”は、生きているかどうかだけで計算される。
 “ただ息をしているだけ”という状態であっても生存とカウントされ、生存率が延びるのは
 良い治療と判断されるが、大いなる違和感を覚えている

 

点過去のエビデンスをまとめて診療ガイドラインに示される標準治療は
  すべての患者にとって適切な治療ではない、あくまでも目安なのだと強く感じた


点治療選択のときには標準治療を参考にするが、実際に患者さんは
  一人一人が人生の目標も、治療効果も、副作用の出方も異なる。

  にもかかわらず、医師は患者さんが、“手がしびれる抗がん剤は使いたくない”とか

  “年齢的に手術には耐えられないと思う”というと、カルテに“治療拒否”と書くことが
  ある。標準に合わない患者さんの側がダメだと判定する傾向がある

 

点診療ガイドラインで推奨する治療法がうまくいかない、あるいはその治療は自分に
 合わないと考える患者さんは実際には少なくない

 

点治療やがんそのものによる症状は患者さん自身にしかわからない、
 だから医療者にきちんと話すべき

 

点患者さんも医療者も「患者さんの人生の質」を考えながら治療を選び、
 状況によって柔軟に変えていくことが「納得できるがん医療のベース」だと考えている

 

乳がんになったがん専門医のメッセージには、患者さんと医療者がより良いがん治療を
選び、続けていくために大切にしたいことが込められています。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

上記は、記事を抜粋しました

全文を掲載していないためにニュアンスが伝わらないところもあると思います

是非、記事本文を読んでいただきたいと思います  <岡田>

 

がん情報サイト「オンコロ」

https://oncolo.jp/feature/20170817k