「家族は辛いよ」 とブログを書き出しましたが
映画のタイトルにあったような・・
70代の男性患者さん(Aさん)の話です
当院で抗がん剤治療を行っています
ちょっと認知症が入り
迷子になったこともあり
家族はハラハラドキドキの毎日を送っています
先日治療のために来院されたAさん
順番が来て、診察室にお入りください・・となったのに
「行かない! お前だけが行って!」と
奥様が「お父さん行きますよ!」と腕を持って立たせようとしても
「行かない」の一点張り
さすがに「じゃあ、私だけが行きます」と1人で診察室に・・
脳外の医師が「Aさんは?」と聞くと
「待合室から動かないんです・・
私の言うこと聞かないんで」と
じゃあ、看護師さんに連れて来てもらおう・・ということで
看護師の出番です
「Aさん、診察室に行きますね、私の手に捕まって下さい
立ちあがりますね」と
1人じゃ効果がいまいち・・
もう1人の看護師も入り、「さぁ、一緒に行きましょう」と声をかけると
ゴソゴソと立ち上がり、両側から抱えられ、歩きだしたAさん
そのまま診察室に入り、脳外医師に
「Aさん良いですね~~両手に花ですね」と声を掛けられると
「は~い」と満面の笑み
先に入っていた奥様のはぁ~というため息が聞こえそうでした
その後スムーズに点滴治療が終わり、さあ帰りましょうとなったところで
今度は「帰らない!」と椅子から立ち上がりません
奥様が、「じゃあ、私は先に行きますから」と言うと
バイバイの素振り
再度看護師の出番です
「Aさん、遅くなっちゃうんで帰りましょうか
エレベータまで一緒に行きますね」
脇を支えられ「は~い」と立ち上がるAさん
そして顔は、満面の笑み
エレベータで奥様にバトンタッチをし、帰途となりましたが
なんとも家族は辛い・・
患者さんはいちばん近しい人に辛く当ります
時には暴言を吐いたり、感情の全てをぶつけてきます
家族もわかっていても、はぁとなります
1人で頑張りすぎずに
ズル出来るところはズルをして
時には自分の辛さを吐き出してください
家族の大変さを私たちは知っていますよ・・