お元気だったAさんが体調を崩しました
今までに経験したことのない痛みが出現したため
定期的に受診している緩和ケア病院を受診しました
医療麻薬を処方され服用することになった・・と連絡が入りました
その後、痛みのコントロールがつかないので
入院して様子を見ることになった とのこと
数週間経過し、家族に様子を伺うと
随分と痛みは軽減したけれど、病院のほうが安心だと入院しています
割と元気なんですが・・ と
じゃぁ、顔を見に行こう ということになり
三好Drと私、Ns、受付スタッフの4人で出かけることになりました
入院先は、都内の緩和ケア病棟です
数年前に新しくしたというその病院は
新しくて、広くて、開放的で、明るい
緩和ケア病棟は最上階のフロアです
訪問を告げ、病室に案内してもらうと
Aさんが、ベッドに腰かけて待っていてくれました
まぁ先生、皆さんも・・
お忙しい中すみません
もう、嬉しくて涙が出そう・・
お久しぶりです
変わりないじゃないですか と三好Dr
そうなんです
入院した時は薬のコントロールがつかずに
結構苦労しましたけど、今は痛くないんです
食事も出来るし
薬も減ってきてるし・・
主人が毎日来てくれて、その時は病院の中散歩するんです
ほら、足腰弱っちゃうから・・
家に居ると家族としか話さないじゃないですか
日中は皆外出したりしてるし・・
私も外出好きだったからあちこち行って刺激受けてたのに
調子悪くなってから外出もできなかった・・
その点、ここに入院してると
看護師さんや、助手さんとかが入れ替わり来てくれて
いろんな話が出来て、退屈しないの・・
傾聴ボランティアの人も来て、話聞いてくれるし
まぁ、入院してるといろんな人がいることがわかる・・
看護師さんにも家庭の事情があったり
年配の助手さんが自分の足が痛いのに私を介助してくれて・・
皆大変なのに優しく接してくれる・・
ここに居るといろんな話が聞けて、勉強になる
この年になって知らないことがたくさんあったことに気づく・・
私は今まで幸せだったと思う
恵まれてたと思う・・
家に帰りたいとも思うけど
家族に迷惑かけるし、大変でしょ・・
ここは、まだ入院してていいって言ってくれるんで
もうしばらく入院してようかなと思って
カーテン開けてみてください
東京タワーが見えるんですよ
まぁ、私ばかり喋ってすみません
嬉しくて
私たち4人は、握手をしてAさんの部屋を出ました
Aさんは病室の外まで送ってくれました
Aさん、今日も病室から東京タワーを見ていますか?
外はほんの少し春の香りがしてきましたよ