お金にまつわるシリーズ③は
リビングニーズで生前に死亡保険金を受け取ったMさんの話です
Mさんは50代後半の女性です
バリバリ働く娘の手伝いと称し、自転車で孫の保育園の送迎をします
そして数か月ごとに海外に出かけ、数週間滞在してきます・・
とてもアクティブの方です
生活に支障が出ないような治療スケジュールを希望し
長いことマイペースの治療を続けていました
ゆっくりと病状が進み、腹水が溜まるようになりました
下肢が浮腫むようになりました
食事が摂りにくくなりました
夫と二人暮らしの生活でしたが
嫁いだ娘や孫と一緒にいる時間が快適になりました
夫婦間がぎくしゃくするようになりました
夫が嫌いになったと口にするようになりました
残りの時間を夫と共に過ごすことに耐えられなくなりました
自分らしく、自分に正直に生きようと思いました
先立つお金がありません
リビングニーズでまとまったお金を得ることを考えました
保険会社に申請し、まとまったお金を得ました
海外出張もこなす娘に甘えることはしない選択をしました
看取りまで行ってくれる有料老人ホームを探しました
1日でも早く、今すぐにでも入りたい・・と懇願し
ある有料老人ホームに1人で入居されました
有料老人ホームに入居後も当院に通院されました
サービスはお金で買えます
介護タクシーを使い、ヘルパーさんが付き添ってこられます
自費で契約したので・・と、サービスが行き届いています
ホームに娘と孫は来るけど
夫に居場所は教えてないので快適・・と笑います
何度かホームからの通院を繰り返していましたが
「体がきつくて通院が出来ない・・
少し良くなったらまた行っていいですか?」 と電話があったのが
Mさんとの最後になりました
「母らしい生き方でした」 と
娘さんから連絡がありました・・
リビングニーズで得たお金で
自分の最期をプロデュースしたMさんでした