数日前に元気な顔ニコニコで通院した患者さんが

その数日後、どよーんとした顔しょぼんで来院されました


「旅行に行くのに薬が足りないので出してほしい・・」

との来院ですが

どうもそれだけではなさそうです


実は・・というので、診察室の外で話を伺いました


テレビでがん患者さんのドキュメント番組があり、見た目

とにかくすごい方で、そんなすごい方もいるのに

自分はなんにもできない、なんてチンケな人間なんだろうって

落ち込む・・悲しくなる・・

以来、気持ちが落ちて・・テレビ見なければ良かったやじるし



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その番組はNHKのドキュメンタリー

http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259534/


「肺がんサバイバー~余命宣告から6年 命の記録~」

6年前、ステージ4の肺がんと診断され、余命10か月と宣告された

テレビ番組ディレクター、長谷川さん(45歳)。

闘病の日々を、自らカメラで撮影してきた。

生きる可能性を求めて、化学療法や放射線、外科治療など、

さまざまな治療に挑んできた。

入院は25回に及ぶ。

去年長谷川さんは肺がんの患者会を立ち上げた。

がんと向き合ってきた6年間を、

長谷川さんが自らが撮影した映像と書き記してきた言葉で

つづっていく。

                       <NHKのホームページより>

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私もこの番組を見ました


  自分の生き方を幼い子供たちに残すために記録する

  長谷川さん


  後悔しないために

  可能性のある治療に関してはとことん調べ

  その道のDrに相談に行く


  リスクも考慮し、考えて考えて選択する


  自身が悩んだことは、他の患者さんも同じだろう・・と

  患者会を立ち上げ、悩める患者たちと意見交換し

  情報を共有する、支え合う、新薬を求め陳情する


  さまざまな治療をトライしてきた結果

  余命10ヶ月といわれていたのに6年が過ぎた



これを見た当院の患者さんの反応は


  長谷川さんは、果敢に闘う戦士

  すごいパワー・・すごい人アップ


  それに比べて私なんて、がん患者歴数か月なのに

  情報収集する気力も体力もないダウン


  ひょっとして色々調べたら別の選択もあったのかも・・


  でも、今さら戻れないし・・


  明日から海外旅行行くっていうのに気持ちがダウン


  今日はこれらか仕事で、旅行から帰ったら

  翌日から治療がまた始まる・・忙しいため息


涙をためながらうるうるの話でした

たくさんたくさん話してくれました


  でも、仕事があって、居場所があって、頼りにされて

  嬉しい満足


  海外に行き、国内での嫌なことから一時的にでも

  解放されるかも


  治療ができるってことは幸せなのかも・・


どよーんとしていた顔しょぼん

いつの間にか明るい顔かおに変身しています


  ありがとうございます

  なんか話をしたら楽になったみたい

  大丈夫かも・・



自分で悩んで落ち込んで・・

話をしながら、自分で気持ちを上げていました

レジリエンス(回復力・逆境力)です音譜



いろんな患者さんに出会います

長谷川さんのように行動的な方

そうでない方・・


元々の性格が違うように

考え方も人それぞれです


人と比べると落ち込みます


人は人、自分は自分で生きていきたいものです