電話だけのご縁の方がいます
標準治療が終わり、緩和ですと告げられ
緩和入院先を確保し、在宅医が自宅訪問している方です
だけど、
何かできる治療はないか
体力なくても出来る治療はないか
少しでも可能性のある治療はないか
話だけでも聞きに行きたい・・
ということで、その患者さんの友人から電話がありました
日によって体調の差が大きい
調子が悪い時は電話もシンドそう
なので、代理でかけています
結構ギリギリの体調だけど、
何が何でも相談に行きたいというので
予約を入れさせてほしい
体調が悪く行けなければキャンセルの電話必ず入れます と
電話をかけてきた友人から必死さが伝わります
外出が難しそう・・と判断したら無理はしないでください と添え
予約を入れました
予約日の前日
調子が悪そうで、ひょっとしたらいけないかも知れない と
友人から電話
予約当日
そろそろ出かけようと支度をしているが
調子が悪く、出かけられそうもない
急なキャンセルで申し訳ない
キャンセル料をお支払いしますいくらですか と友人から電話
私が
がんの患者さんは急な体調の変化があるので
当院ではキャンセル料いただいてないです
今日は自宅で体力温存してくださいね と話すと
患者本人が話をしたいので電話を代わりますと
当日のキャンセルで本当に申し訳ありません
ずっとお通じが出なく苦しい思いをしてたんですが
今朝から急に下痢になり、数十分毎にお手洗いに駆け込んでます
その行き来でヘロヘロで・・
ただ、お腹の苦しいのがなくなって調子は悪くないんです
全体力を使い切った感じで・・すみません
これで少し楽になったと思うんで
来週にでもまた電話予約させてもらっても良いですか
是非行きたいんです、今日は本当に申し訳ありません
急なキャンセルのお詫びの言葉を何度も繰り返していました
翌週、友人から電話がありました
先週はキャンセルしてすみませんでした
翌日はとても調子が良くて外出したんです
突然伺っちゃおうか・・とも思ったんですが
来週予約してから行こう・・と話してました
調子は悪くなかったんですが
実は昨日急に亡くなりました・・・
私もびっくりしています
毎日会っていて、特に変わりなかったんですから・・
いやぁ～～びっくりです・・
本人がそちらに行くの楽しみにしてたんです
もう少し早く行ければ良かったんですが
とても残念です
行ったとして何か出来たかはわかりませんけど
行きたかったです・・
本人は行けなかったけど、そちらがあることを知ったので
今後私になにかあったら伺おうと思います
彼女が作ってくれた縁ですから
いろいろとありがとうございました
これからもよろしくお願いします と