50代後半のMさんの話です


 調子が悪くなり地元の病院に入院した

 体調良くなったらまた銀座に通院します


 この病院に長く入院しても意味がないから

 退院して緩和ケア病院に入院します


 緩和ケアに入院するまでの間、銀座に行きます

 お腹の水抜いて下さい


 緩和に入る前に、有料老人ホームに入ります

 そこは看護師さんもいるし、ご飯も出るし安心だから・・


 老人ホームに短期入所するので

 担当者に私の病状を説明してほしい

 末期がんで、緩和ケア入院までの間

 入所させてほしいってこと

 そこから銀座に通院したいってことも



ホームの担当者がMさんの病状確認のために来院されました

看護師の男性です

三好Drは説明します


 がん末期で、緩和ケアに入院する状態の方です

 通院できれば、外来で腹水を抜いたり、医療麻薬を処方したりできます

 ホームに医者はいますか?看取りはできますか?



ホームの担当者は


  ホームに医師は常在していません

  看護師は居ます

  在宅扱いで、在宅医と契約し訪問してもらいます

  在宅医が緩和ケア的な処置や処方も行います

  希望があれば通院介助もおこないますし

  在宅医と連携してホームで看取ることもできます



パンフレットをみせてくれました


有料老人ホームって入所時に一時金を払って(数千万とか高額・・)

プラス、月の料金も高額で・・と

とても高いイメージがありましたが

短期入所プランがありました

少し高級なホテルに宿泊するのと変わらない値段で

数泊から日にちが選べ、また月単位の契約もあります


別料金で、通院サービスや外出同行サービスが受けられます


ホームの車や介護タクシーなどを利用し

行きたいところに行けるよう

コンシェルジュサービスもあります


何よりも、入所により

介護士やヘルパー、看護師などが居る「安心感」が得られます



その後、ホームに入所したMさんは

介護タクシーを手配してもらい

ホームの方同行で来院されました


  ホームは人がいるから安心

  あんまり食べられないけど食事もおいしい

  往診(在宅)の先生が優しい、水も抜いてくれる

  自由に過ごせるから病院に入院するよりずっといい

  こうやって銀座に連れてきてもらえるし・・




数週間後Mさんは

在宅医、ホームのスタッフの見守る中

ホームにて永眠されました


それが本人の望む在り方でした


                        合掌