ある日、点滴治療中の患者さんのベッドサイドにお邪魔しました
その方は腹水が溜まり、当院でチョコチョコ抜き
そして、たくさん溜まると入院して大量(7ℓとか)に
腹膜還流(CART)します
先日転んだこともあり、通院は車いす
付添いはご主人や娘さん・・
とても結束の強い家族です
お腹の水抜くと、食べられますか?
お食事はどんな感じですか? と尋ねると
ふふっと笑って
食事は食べられるの・・
この間は治療のあとに主人が築地のお寿司屋さんに
連れて行ってくれたの
今まで私が食べてきた寿司は、寿司じゃなかったんですよ
すごい美味しくて・・
今度は娘も連れて行くんです
ホントに今まで食べてた寿司はなんだったんでしょうね
と、本物の寿司を食べた~~~と楽しく話してくれます
目がキラキラし、力強い口調です
腹水のコントロールがなかなかつかず
落ち込むこともあるだろうし
体力の低下を実感しているのは当の本人だし・・
それでも目の前には寿司の話をケラケラしているその方がいる
私もおかしくて、楽しくてケラケラ笑う
せっかく交通費をかけて銀座に治療に来るから
美味しいもの食べて帰らなくちゃ
主人や娘と一緒に楽しまなくちゃ
それが生きている証
一緒にケラケラしながら、その方の強い思いが伝わってきました