先日から当院の治療を開始した方がいます
初発の抗がん剤治療が大変辛く
再発がわかっても、抗がん剤治療に踏み切れずにいた方です
いろいろ探し、当院にたどり着きました
仕事をもつ女性の方です
仕事をしながら低用量抗がん剤治療を行っていきます
治療開始日、緊張の面持ちで来院されました
「以前の辛い抗がん剤治療がトラウマのようになっいて
数日前から緊張し、夜もよく眠れなかった・・」と話します
私は
「今日の初回治療が問題なかったら
大丈夫っていう記憶が上書きされます・・
初回なので様子を確認しながら
ゆっくりいくと思いますよ」 と話しました
三好Drもナースも、この方がとても緊張していることを察し
各過程に時間をかけます
採血時、緊張し息が止まっています
背中に手を当てると汗をかいています
ナースがうちわを持ってきてくれました
そして
「ひっくり返っても受け止めるから大丈夫
息が止まってますよ」
「ああっ ふうっ
」
場所の移動も
まるで右手と右足が一緒に出るような
ぎこちない歩行になっています
いよいよ点滴ブースで抗がん剤治療がはじまりました
初回で緊張も強いので、薬は1剤でのスタートです
吐き気止めやアレルギー防止などの点滴も含めると
点滴は3本です
あまりにも緊張が強く見えたので
その間同席することにしました
カーテンを閉めた点滴ブースの個室に患者さんと私
今までの治療歴や家族歴、現在の様子などをお伺いしました
・初発時は1人で戦った
・再発したことを親には言っていない
・職場の上司は理解あるが、がんをオープンにしたのは
自身が初めてのケース
・同僚や友人に同情されたくない などなど
とても頑張り屋さんです
時には涙を流しながら話をします・・
その方が自分史を話している間に
初回の抗がん剤治療が終わりました
「終わったんですね・・大丈夫でした・・
私、次から大丈夫ですね」 と
先日2度目の治療に来院された顔をみると
とても綺麗になっています
再発治療がスタートできた安心感と
トラウマを乗り越えた自信の表れかな・・と察していると
「なんか調子が良いんです」と
よしっ