当院には、院内でがん治療をされる患者さん以外に
他の病院で標準治療を受け
定期的に報告や相談に来られる患者さんもいます
先日、受付から
「おはようございます」というAさんの声
でもそこには私の知っているAさんは居ない・・
黒髪のストレートボブがトレードマークのAさん
そこにいたのは茶色のショートカットの女性・・
そして若い・・
んんん
「イメージチェンジですね、若くなりましたね」と話しかけると
「ようやくここまで伸びたんです・・
標準治療で髪が抜け、ウィッグ使ってました・・
夏にウィッグ外せて良かった 」 と
別の日には、何となく重々しい感じの受付の空気
Bさんが会計中
気になって声をかけると
「大学病院で抗がん剤受けてるけど
今の薬が効かなくなったので
前に効いていた薬に変わるんです・・
せっかくここまで髪が伸びたのに・・
もう少しのところだったんです
髪が抜けるのは仕方ないんです
わかってるんです
それ自体が嫌なんじゃなくて
せっかく生きて生えてきた髪が
死んでしまうようで・・」
ほろほろと涙がこぼれます
髪が伸びる = 生命の力強さ = 生 を連想させ
髪が抜ける = 脆さ・弱さ・喪失感・失望・絶望などから
生命の死 を連想しているようでした
「髪が抜けるという行為が嫌なんじゃない!」
Bさんが発したこの一言
多くを考えさせられました