9月11日のブログでお知らせしたように
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現在、私が体験したさまざまな形の「ホスピス緩和ケア」を連載中です
そんなのとんでもない・・知りたくない・・非常識だ・・ と思う方は
以下は読まないでください・・
今回⑧をもって連載は終了します
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8回目は 肺がん Hさんの紹介です
Hさんは、60代の女性
病気以前は、活動的にテニスを行い
全国の諸大会に出場していた
スポーツウーマンで若々しい印象の方
片肺に「肺がん」の診断をされ、精密検査の結果
反対側の肺に「悪性中皮腫」の診断・・
がん専門病院医師から
同時に2つの悪性疾患の診断をされ
「画期的な治療はないが、抗がん剤治療をしますか?」と言われ
「効果が期待できないのに副作用の強い治療は嫌」」ということで
当院に来院された
・子供は家庭を持ち、夫婦二人暮らし
・テニス三昧だったのに、呼吸状態が悪く出来なくなった
・別人となった自分を誰にもさらしたくない
・友人知人とは会いたくない、会わない
・自宅に居ることが不安になったらホスピスに入りたい
・候補のホスピスが2つある、紹介状を書いてほしい
・つらい治療はしない
こんな面談ののち、当院での治療を開始した
治療開始と同時に、ホスピスに面談に行った
すぐに入院する必要はないので、順番待ちのなかに入れます
おおよそ、3か月後くらいに順番が来ると思うので連絡します
その時に入院したかったら入院、まだ大丈夫なら再度順番待ちに戻ります
そんな話を聞き、2つのホスピスに予約をいれたので
安心して、治療ができます・・と
通院3か月後くらいにホスピスから連絡があった
「治療中」と話をすると、「まだ大丈夫ですね」と言われた
通院治療を開始して約半年後
・階段を上るのが辛くなった
・呼吸状態が悪化した
・在宅酸素を導入した
酸素なしでは苦しいはずなのに
・通院時には、酸素を使わない
・家事は今まで通り酸素使用せず行う
・家事の手抜きはしない
・夫の手伝いも不要
Hさんは確固たるポリシーを持っている
それから少し経ち、「ホスピスに入院する」と宣言
理由は
・通院に酸素が必要になった
・家事がままならなくなった
・この状態は本来の自分ではない
・もう十分です
夫に話を聞くと
・まだ家に居られると思うんだけど
・毎日掃除しなくてもいいと思うんだけど
・洗濯とか手伝おうとすると私が居る間は私がやるって・・
・本人のしたいようにするしかない
2つのホスピスのうち、A病院はベッドの空きがない
B病院は数日後に入院可能と・・
Hさんの希望はA病院、でもベッドの空き待ちですぐには入院出来ない・・
家にもいられない・・とうことで
まず、B病院に入院し、A病院の空きがでたら転院する という意思表示を
B病院にした と
当院の通院最後の日 「お世話になりました。さようなら」とHさん
「お疲れ様でした。行ってらっしゃい」と送り出す私達
予定通り、まずホスピスBに入院し、数週間後にホスピスAに空きが出たため
希望通りホスピスAに転院
Hさんは転院後数週間後、天に召された
自分の引いた線路の上を、滞りなく進んでいったHさん
「自分が自分で無くなるのなら、もうこの世に未練はありません」
確固たる自分を持っていたHさんはそう残して逝ったような気がする・・