クリニックでがん治療中の患者さんや、ご家族から
最近食事が摂りにくくて・・
どんどん体重が減って・・
ご飯を半分も食べられなくて・・
など、相談を受けることが多いです
熱心な家族だと、食べたものや量までノートに記録し
これしか食べない・・
偏っている・・
食べないとがんに負けちゃう
こんなにがんばって作ってるのに・・
など話されます
そしてその隣で患者さんは申し訳なさそうに
頭ではわかっていても、食べられないことをわかってほしい
と話します
診察室で相談をうけると、三好Drは決まって
食べたい時に、食べたいものを、食べられるだけ食べて!
バランスは考えなくていい
と話します
その考えが、私たちが食事相談を受ける場合の、アドバイスの基本方針となります
食事が摂れないという患者さんや家族に
「昨日はどんなものを召し上がりましたか?」と尋ねると
朝はご飯が食べられず、ヨーグルトとフルーツ
昼はうどんを半分くらい
夜はご飯はほんの少しで、あとはおかずを・・
「おやつは?」と聞くと
孫といっしょにクッキーを・・と
家族からは
おせんべいも食べました・・と
確かに朝昼晩の三食だけを聞くと、量は少ないけれども
間食を入れると、まだ工夫をすれば大丈夫そう・・と
以下のようなアドバイスをさせていただきます
★朝昼晩の三食でカロリーを考えずに、1日のトータルカロリーで考える
定食のようなボリュームのある食事は、見るだけで「こんなに食べられない」と
思ってしまうからです
★間食の奨め
例えば、ホットケーキ・どら焼き・バームクーヘン
フルーツサンド・おしるこ・クッキー・ビスケット・チョコレート
(そこそこのカロリーです・・)
★デザートの奨め
アイスクリーム・プリン・ヨーグルト・ゼリー
ケーキ ・フルーツ
(のどごしも良く、ローテーションで変化をつけて!)
★ドリンクの工夫
(水やお茶はノンカロリーです。カロリーを考えて・・)
スポーツ飲料・野菜ジュース・フルーツジュース
ミルクティー・カフェオレ・乳酸菌飲料・エネルギーチャージ飲料
そして時には食前酒などのアルコールも・・
★スープの奨め
(水分と様々な具材が一度に摂れ、万能です)
ありあわせの野菜を刻み
・コンソメスープ
・トマトの水煮缶を入れトマトスープに
・味噌汁
・中華スープの素を投入+最後にごま油
・めんつゆ+カレールーで和風カレースープ
それぞれのスープに、炭水化物を少量投入
・ごはん → 雑炊やリゾットに変身
・マカロニやショートパスタ→ペンネやミネストローネ風に変身
・うどん・麺→カレーうどんや中華めんに変身
★冷凍食品やコンビニ食品活用の奨め
「食べたい」と思った時にすぐに対応できると実際の「食欲」を失わない
焼きおにぎり・うどん・グラタン・ドリア・たこ焼き
★ファーストフード活用の奨め
味覚が変わり、はっきりした味を好む傾向の方に・・
持ち帰りが出来るので便利です
ハンバーガー・フライドポテト・ドーナツ・カレー
★強い味方
コーンフレーク(シリアル)+牛乳
手軽に用意が出来、高カロリーで栄養のバランスが良いです
ご飯をイヤイヤ食べるなら、コーンフレークをお奨めします
★外食の奨め
お店の雰囲気や食事をするメンバーの効果もあり
いつもより箸が進むようです
これらをよく考えると、ダイエットの逆バージョン・・
「このような食事を摂ると太ります・・」と言われているものです・・
先日これらの話をしたご家族は
「なんか少し気が楽になりました・・何が何でも・・と責めていたかもしれません」
と言っていました・・
1日のカロリーゆる~くを考え
その日の体調に合わせて、 試してみてください
#1 もちろん、それでも不足する場合はDrと相談し、別の手段を考えます
#2 腎臓病や糖尿病など、医師による食事指導がある方は
主治医の指示通りにお願いします