このところ、当院で治療を開始された患者さん数名が
なかなかの医療者泣かせの血管の持ち主・・
つまり、採血や、点滴ルートの確保が難しい患者さんである
ちなみに、当院の看護師は、「超」がつく位採血が上手く
三好Drも、当人が「自負してる」という位採血が上手い・・
それでもスムーズにいかない位、血管が細い方、もろい方、出にくい方
今までの治療で使える血管がなくなってしまう方・・などがいる
そうゆう方には、今後安全に抗がん剤治療を行うために
三好Drから、「CVポート」の話が出る
★CVポートとは★ <松江赤十字病院HPより>
・血管内に薬を長時間注入する場合に用います。
・抗がん剤治療を実施する以外に高カロリー輸液の投与などにも用います。
・CV ポートは直径2~3cmの小型円盤状のタンクとカテーテルと呼ばれる
チューブから出来ています。
・ポートの中心にはセプタムと呼ばれる圧縮されたシリコンゴムがあり、
そこにヒューバー針と呼ばれる専用の針を刺し、薬を流すことにより
タンクを通って接続されているカテーテルへと薬が流れる仕組みに
なっています。
・CV ポートは前胸部、上腕部などに埋め込まれます。
・CV ポートと接続されているカテーテル先端を上大静脈に留置し、ここから薬が
体に注入されます。
・CV ポートを体内に埋め込むために小さな手術を必要とします。
・通常、局所麻酔で行います。
こんな内容の話を、説明書を見せながら行うのであるが
イメージがなかなか伝わらない・・そして、小手術=痛い・怖い
やらなくて済むのであれば、出来ればやりたくない・・
でも、やらなくてはいけない・・不安が増強・・という患者さんに対し
数週間前に、ポート挿入してきた先輩患者さんにお願いし、
手術部を見せてもらい、話を聞かせてもらうことにした
先輩患者さんは
「私もはじめはどうなるのか怖かったけど
気が付いたら終わってたし
引きつれ感はあるけど、術後の痛みはなかったよ・・
先生とかみんなががんばってくれるから、大丈夫・・
ホントに大丈夫だから・・」
後輩患者さんは、不安げな顔で術部を見ながら
「本当に痛くないですか?」と何度も聞く
先輩患者
「そうだよね・・心配だよね、怖いよね・・
でも大丈夫だよ、私だって出来たんだから・・」と泣きながら話し、
不安げな後輩患者さんの手を握っている
その瞳は「大丈夫、一緒にがんばろうね・・」と後輩にエールをおくり
そしてまた、自分に言い聞かせているようでもあった
後輩患者さんが「ありがとうございました」と言って帰ったあと
先輩患者さんは私に言った
「私で良ければ・・少しでもほかの方の役に立てれば・・
みんな泣いてきて、がんばってるんだから・・」と
私は、不覚にも涙が出そうになった