とても怖がりの患者さんがいます
採血をするときには、思い切り顔をそむけ
全身に力をこめ、息を止めています
血管が収縮して、余計に採血しにくくなります
緊張している人に「力を緩めてください・・」と言葉をかけても通用しません
私が立ち会うときには
採血する患者さんの後ろに立ち、患者さんの背中に軽く手を当てるようにします
時には軽く撫でたり、ゆっくりトントンとたたきます
「大丈夫・・大丈夫・・」と気持ちを送ります
診察室で、患者さんが先生に痛みを訴えました
このあたりが痛いんだと、腰のあたりを指していました
先生は、痛み止めの薬の話をします
その話を聞きながら
患者さんの隣に座っていた息子さんが、痛む場所にすっと手を当てました
「痛みを自分の手で包み、取り除いてあげたい・・」と私には聞こえました
点滴中の患者さんに
リフレクソロジー(足マッサージ)の資格をもつナースが
時々、施術に入ります
足の裏を触ることで、患者さんの体調の変化がわかると言います
手でマッサージをしながら、上手に会話を引き出しています
診察室では出なかった話が得られることも度々・・
「少しでも楽になってお帰り下さい・・」という気持ちなんだと思います
クリニックでは、多くの「魔法の手」に遭遇します
そして、処置や治療をする先生の「手」は
もちろん「魔法の手」で~す