先日のTVの放映後、問い合わせや相談電話が増えました

TVの患者さんと同じ、「肺がん」や「リンパ節転移」の方

そして、中には

「TVの方は治ってよかったですね・・私の配偶者は残念ながら亡くなったの・・

先生の所に行っていたらどうだったかしら・・」という遺族の方からの電話もあった



TVの患者さんは5年間治療をし、完治し、当院を卒業した

いわば「成績優秀患者さん」ではあるが

治療中の5年間にはいろんな気持ちの「ゆらぎ」があった


たぶん最初は、体に優しい「免疫療法」だけやりたかった・・

でも経過の中で放射線治療を行い

低用量抗がん剤(休眠療法)を導入・・


腫瘍マーカーの値の変化に一喜一憂し

腰痛が出現すると骨の転移ではないかと、ビクビクした

秋になると、真っ先にインフルエンザの予防接種を行い

肺炎球菌ワクチンも接種した・・

それでも、いつ新たに再発するか・・悪化するか

治療経過が長くなればなるほど、治療がいつまで続くのかと

出口の見えない長いトンネルの中を、彷徨っていたようである


そういえば、一時期、気持ちがふさぎ、家族とともに「精神腫瘍科」を

受診したこともあった


穏やかな日もあれば、不安でいっぱいな日もある

もう治療を辞めちゃえと思う日もあれば

思い切って他の治療をしよう・・と思う日もある


治療を卒業した「成績優秀患者さん」でも、気持ちはずいぶん「ゆれて」いた

ゆらぎながら5年積み重ねた全てが、結果として「卒業」に結びついたのである