声に追いたてられて 隠れて 闇に息をコロス
ねばねばとした 澱んだ赤黒い空気が 首筋のあたり
絡みついては 血の脈を啜る
光を失った網膜に 突如として突き刺さる 声
腕の皮膚を喰い破って 鉄条網が生えはじめる
爪という爪が 鈍い音を放ってけし飛ぶ
開ききった瞳孔が次第に 紫色に変色を重ねてゆくのを感じる
不器用に噛み合わない歯を食いしばり
今にも崩れようとする 肉の塊の如きその肉体を
震える両の腕で かたくなに抱きしめ
最後の断末魔を 引き裂いた
・・・ ・・・・ その瞬く刹那に飲み込まれて
すべてを悟った
あの忌々しい 亡霊のような あの声こそ
私自身の声だったのだ!