夢心地の中、不意に背中に鈍痛が走る。
一番後ろの窓際の席、すべてが見渡せるベストポジション。
去年までは俺が座っていた場所に今は、剣道一筋お節介女、若葉が座っている。
俺は、本日六回目となる若葉の鉄拳を何とかスルーし、再び深い眠りに入る。
終令の終わりを告げるチャイムと共に飛び起き、帰り支度をして美術室へと向かう。
これが俺の学校での大まかな一日の流れだ。
「岳斗、今日は部活何時ごろに終わる?」
「まぁ、大体八時には終わると思うけど、颯の方はどうなんだよ?」
「俺もそのくらいかな」
「結構遅いんだな?」
「そろそろ作品展あるから絵を仕上げなきゃなんねぇんだわ」
「なるほどな」
「じゃあ、今日は久々に部活終わりに飯でも行くか?」
「いいねぇ」
莉緒が不意に岳斗の背後から飛び付く。
「なになに?何の話?」
岳斗は背中に受けた衝撃を気にも止めず話を続ける。
「莉緒には関係ない話。いいから早くグラウンド行っといてくれよ」
「わかりましたよ~。あ、ちなみに私も八時だからご飯一緒に行けるよ」
「莉緒は来なくていいって」
「何でよ?」
「男二人に女が一人って、バランス悪いだろ?」
「それなら若葉も誘えばいいじゃん」
「確かにな」
「あいつはダメだよ。試合近いから練習で疲れてるだろうし。でも、莉緒なら来てもらっても構わないけど?」
「ホントに?さすが颯太だね!―ところで、確認なんだけど」
「どうした?」