銀魂夢小説 おせっかいもたまには必要[リクエスト] |  ★...銀の侍 銀魂夢小説...★ 

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愛を込めて夢小説書いてます! 

駄文です。更新率も低めです。リクエスト夢小説がほとんどです。

拙い文章ですがお付き合いくださいませ!


久しぶりにまじめに書いた夢小説はなんと土方さん!

リュウタさんからのリクエストです!

書いてて思うのはやっぱり楽しい!って感じでした(笑)

今までもちょいちょい書こうかと思いつつ途中で諦めてしまっていたのですが!

やっと今日完成です!いやー達成感すごい。

久しぶりで駄文感がとてつもないと思いますがご勘弁を!

それではどうぞっ☆






「土方さん、お茶です……よ?」
「おう、さんきゅー、ごほっごほっ」

真選組の女中になって早数年、土方さんへ毎日お茶を差し入れるお仕事は私が勤め始めてから最初に与えられた仕事だった。

必ず私の顔をみてお礼を言ってくれるので、まったく苦ではなかった。

そんなこんなで、今日もお茶を差し入れに来たわけですが、なんだか彼の様子がおかしい。

部屋に入ったときから彼の呼吸は少し大げさで、鼻が詰まった声はいかにも苦しそう。極めつけには咳ときたもので、これは誰がどう見ても風邪であった。

数年ほど彼が風邪にかかっていないのは知っていたが、やはり彼も人間だったらしい。

「土方さん」
「ん? どうした、もう行っていいぞ」
「いや、あの、えっと……」

数年お茶の差し入れはしたと言っても、彼とはまともに話したことなんてなかった。
なにより彼の仕事の邪魔になるのが嫌だったからだ。
きっとここで「具合が悪いようなら休んではいかがでしょう」とか言っても多分、彼は考える余地もなく断るだろう。

けれどここで放っておくのもまたおかしい気もする。
風邪ならば仕事の効率も悪くなってしまうだろうし、なにより悪化してしまうと今後の仕事に影響が出てしまうんじゃないだろうか。

なんて考えているだけで一向に言葉に出てこない。

「何か言いたいことでもあるのか?」
「ええと、最近お仕事がご多忙なのでしょうか……疲れが見えるのですが」

ふり絞って言ったのは、そんな言葉。
なんて思っただろう。「だから何?」って思うのが一番妥当かな。

ちらっと土方さんの顔を見ると、少しだけ驚いた顔をしていた。
意外な反応に、私も少し驚いた顔をしてしまう。

「そうか? つーかお前が何か話を振るなんて珍しいな」
「えっ、あ、そ、そうですかね?」
「おう。まぁー、ちょっと面倒な案件を抱えちまってよ、なかなかうまくまとまらねーんだ」

きっと、風邪で頭が回らないんだと思うけれど。

「少し休まないと、頭が回らないんじゃ……」
「……。そうか、やっぱり風邪かもしれねーこと気づいたんだろ? さすが毎日来てるだけあるな」
「あ、は、はい……」

私が言いたいこと、彼がくみ取ってしまった。
本当は強く休んでほしいと伝えたいのだけれど、それさえも彼にはもう知られているかもしれない。

「いや、まぁ、気づかれないままならそのまま仕事してようと思ったんだが、できる限り屯所の奴らには内緒にしてもらえないか?」
「え?」
「俺は副長だ。体調管理ができねぇ上司に誰もついてこねぇよ」
「そんなこと……」
「ただ今回は俺も油断した。自分の体力を甘く見てたんだろう。すまねぇ、周りには言わないでくれ」

苦笑いでそんなことを言う土方さん。
初めて見た彼のその表情は、とても放っておけるものじゃなかった。

だから、私は自分の身の程を知りながらも、彼に投げかけます。

「わかりました、絶対屯所には知られないようにします。 ですが、今日はしっかり休みましょう!」
「あ? ごほっ、ごほっ」
「土方さんも本当は気づいてますよね、休んだほうが仕事の効率がよくなること」

――でも彼のプライドがそれを邪魔している。

「……いや」
「いいですね」

私は彼を強く見つめて、有無を言わせてはいけないと心の中で唱えた。

どうしても休んでほしい。
放っておけない、この人頑張りすぎちゃうタイプなんだ。
誰かが休むように強く言わないと、絶対休んでくれない。

「……絶対誰にも言うなよ」

そう言った彼の口元は観念したようにため息を吐きつつも、笑っていた。

***

「土方さん、具合はいかがですか?」

その後、私は彼が仕事をしていないか、ちょっとの間をおいては彼の部屋を訪れる。

幸い、お昼過ぎになるとほかの隊士たちは巡回に出ているのでほとんど怪しまれずに済んでいる。

「……仕事なんてしてねえよ、お前すげえな」
「なにがですか?」
「その、おせっかいの度合い?」

私の監視力に半ば呆れたようにそんなことを言う。
おせっかいと言われましても、土方さんにはこれじゃ足りないとさえ思う。
本当はずっと看ていてあげたいのだけれど、それでは少し彼の気も休まらないだろうと思って、断続的にお世話を焼いているのだ。

空になったコップに水を足して、体温計を渡して、手軽につまめるおやつなどを彼に届けて。

彼の顔色はさっきより良くなったとは言え、まだまだ本調子ではなさそうだ。

「布団でしっかりやすんでくださいね、では失礼します」

そう言って私は部屋を出ようと立ち上がる。

「待てよ」
「ほ?」

立ち上がったところで素早く腕を掴まれた。

「そんなに何度も来るより、思う存分看病してけよ。そうすればお前の気も済むだろ」
「え……いいんですか?」
「あぁ。適当にくつろいでもいいから」
「いや、そんな、とんでもない!」
「……くくっ」

なんだかよくわからないけれど、土方さんが喉を鳴らして笑っているのがわかった。
なにかおかしかったかな。変なこと言ったかな。
ドギマギしながら黙って土方さんのをほうを不思議に思いながら見ていたら、彼は口を開いて笑いながら言った。

「あんだけ監視しておきながら、なんでそこは謙虚なんだよ」

そう言って笑う彼の顔。
少し気がほぐれたような、そんな顔をしていると思う。

「そ、それは……」

私は心の中で一抹の嬉しさを感じながら、言い訳を考えますが出てこない。

「なあ、そんなに気にかけてくれんの、お前くらいだわ。もうちょい近くに座れよ」

土方さんにそんなことを言われては断れない。
私なんかが近くに寄っていいのかと思いつつ、少し高鳴ってしまった心臓に嘘はつけなかった。

私が近くに正座すると、私の膝に彼が頭を乗せてきた。

「えっ!? ちょ、ひじかたさ……?!」
「驚きすぎじゃねーか? なんつーか……少しこうさせてくれねーか?」
「あ……は、はい……」

彼の予想外の行動に私はまったく落ち着かないのだけれど、対して彼はほっと息をついて体の力を抜いたのが分かった。
目をつむって一息つく彼を見るとなんだかよくわからない気持ちになる。

彼が何も言わずにその状態でいたものだから、しばらく私はじっと彼を見つめた。
切れ長の目は閉じられている。見慣れたV字の前髪も少し乱れていた。
規則的な彼の呼吸を感じると、自分の鼓動の音が大きく聞こえるような気がする。

「……なぁ」
「は、はい!」
「……ありがとな」

突然声をかけられたかと思うと、不意にそんな言葉を投げられた。
彼は少し目を開けて私を見つめる。まだ具合が悪いのか頭を重そうにしていた。

「お礼を言われることなんて……」
「誰かに世話を焼かれるなんて、ここ数年なかったんだ」
「……」
「自分のことを気にかけて貰うってのも悪くねえ。それがお前なら尚更な」
「……なんだか、ありがとうございます」

彼が私に感謝をし始めた。
なんとまぁ。おせっかいも焼いてみるものだ。
鬱陶しがられるのを覚悟でやっていたのに、ありがとうなんて言われるとは。

私は思わず頬が緩んで彼に笑いかけていた。

「ははっ、お前今日初めて笑ったな」
「え?」
「いや、笑った顔見たの初めてかもしれねぇ」

そう言うと彼は体を起こして私に向き直った。

「ほんと、今日ずっと心配してくれてさんきゅーな」

彼が私に笑いかけながら言う。でもまっすぐに見つめられて、そのうえ思ったよりも距離が近い。
なんだか恥ずかしくて、目をそらして「はい」としか言えなかった。
手には汗が滲んで、いよいよ心臓がバクバクと言う

――どうしてこんなにどうしようもなく切なくなるんだろう。

胸がきゅうっとなる。

「……照れてんのか?」
「え、いや、その……」

照れてるのかな。なんか違う。照れてるっていうより、恥ずかしい。
顔が見れない。

そう思っているうちに彼は口角を上げながら私に顔を近づけていた。
彼の吐息がすぐそばで感じられる。
あまりの近さに私は目を強くつぶってしまった。

「もっとお前の笑った顔が見てェ。どうしたらいい?」

彼が私の耳元でそうつぶやいた。
思ったよりも体に響いて、首元からゾワりと全身が震えた。

「わ、わかりません……!」

頭が回らなくて出てきたのはそんな言葉。

「……くくっ、こっち見ろよ。少しからかっちまってごめんな」

彼がすっと身を引くのが分かった。
私は一瞬心臓が止まるかと思うほどに心臓が波打っていたことに気が付いた。

言われた通り彼のほうを向いても、何も言葉が出てこない。

沈黙は続く。彼の眼はとても綺麗で吸い込まれてしまいそう。

つらくなるほど目を合わせて、彼が口を開いてくれた。

「その反応、男には結構効くわ。やべー、ちょっと席外してくれね?」
「え?」
「このままだと何するか分かんねーわ、俺」

そう言って彼は自分の手を口元に当てて、ちょっとはにかんでいた。

その言葉に私も顔が一気に熱くなるのを感じ、立ち上がって彼に一礼をして部屋を出た。
襖を閉めたとき、背中に声がかかる。

「なあ」
「は、はい!」
「今度、飯でもどうだよ」
「……はい。行きます」
「そうか」

彼がまた小さく笑った気がした。またきゅんと胸が締め付けられた。

耐えられなくなった私は速足で自室に戻った。


end

人が人に恋をする瞬間って、どんな感じですかね。
思いがけず甘えられちゃうとドキっとしませんか?
なんて、土方さんならどんな彼でもwelcome!

甘い話にしようとしたのに、やっぱり恋人関係じゃないと難しいですね。
でもなんか、恋人になる前のじれったい感じもたまらないですよね。
うまく文章にはできなかったですけれど(・・;)

土方さんに膝枕、耳つぶされちゃう、そんなお話でした☆
リクエストしてくださったリュウタさんありがとうございました♪


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