2014年7月5日


まだまだ続く、BUZZの東郷昌和君の
ファースト・アルバムのレコーディング。
いよいよ大詰めの歌入れに突入しています。

多くのサプライズなミュージシャンや
スタッフが入れ替わり立ち替わりしていく中で
レコーディングがはじまったときから
マスタリングまで、
制作のすべての行程を
ずっと僕と共にしているのが
エンジニアの安部徹さんです。






杉真理君や須藤薫さんの近作でもおなじみの
安部さんは、「伊藤銀次40th Anniversary Edition Golden☆Best」に
ボーナストラックとして収録された
「ウキウキWATCHING」の
レコーディング&ミックス・エンジニアを
務めてくれました。

そのときゆっくりお話をしたところ
彼はあの佐野元春のアルバム「SOMEDAY」や
沢田研二さんの数々の作品、はっぴいえんどの
「風街ろまん」を手がけた、
日本のロック・エンジニアの草分け、
吉野金次さんのアシスタントだったとのこと。

吉野さんが新宿御苑にあったテイク・ワン・スタジオを
ホームグラウンドにしていたときのことだから、
若き日の安部さんは何度か
僕の仕事にも関わってくれてたとのこと。

そうだったんだ。世の中はほんとにまいせ里穂。
あの頃は佐野元春、ジュリー、そして自分のアルバムの
レコーディングなどでテイクワンにいることが多かったなあ。

と、僕の遠いおぼろげな記憶をたどっていくと
ひとりのシャイでおとなしい感じの青年の姿が
くっきりと浮かび上がってきました。

そうか、あの時の彼がいまこうして
立派なエンジニアになって
僕を助けてくれているのかあ。
長く続けているとこういった
予期せぬじんわりとした
喜びと出会えたりするのでした。

プロデューサーやアレンジャーが音楽の入り口なら
エンジニアはその出口をつかさどる重要な役割。
なによりもどれよりも
彼と僕とのコミニュケーションが
大切なのです。

熱くブルドーザーのように猪突猛進していく
僕に対して
つねにおだやかでクールなスタンスで見守ってくれる
安部さんは、もうひとりの僕の片腕、
今回のアレンジを手伝ってくれている
小泉信彦君と共に、欠かせない存在。
これまでの行程の中で起きた
数々のピンチに際しても
一番のよき相談役となって助けてくれました。





まもなくレコーディングの最終行程、
ミキシングに入ります。
さあ、いよいよ安部さんの
ほんとのほんとの出番がくるのです。