いよいよ大詰め、第2部の後半戦。

08) ピ・カ・ソ (銀次曲)
09) オーロラにつつまれて (久保田曲)
10) グライダー (銀次曲)

pt.1 で触れたように、明け方に突然の完成を見た「ピ・カ・ソ」。
彼の代表作品、作風の変遷、その言葉などを、ミッシェル・ルグランの「双子姉妹の歌」みたいなメロに、コラージュのように貼付けていった。
そしてアウトロは、ピカソのフルネームの畳みかけで一挙にエンディングへ。
これはもう聴いてもらわないとわからない。
興味のあるかた、また第3回でも演るのでぜひそのときにじかにその耳で。

最後のコーナーは今回の小峰さんの絵に二人がつけた曲。
その絵の縦線から「法則性」を感じた久保田君は、「平均率」を想起し、
バッハの無伴奏ソナタをたたき台にした「オーロラにつつまれて」を作りました。
すごいイマジネーション! これぞ久保田流プロコル・ハルム。
今までの彼のレパートリーには絶対になかったもの。
地の底から這い出てきたような低音から始まる、心揺さぶる曲。
まさに「えとうた」ならではの新境地でした。

同じ絵を見てどうしてこんなにちがうところに着目し、ちがう曲ができてくるのか? これが個性。「えとうた」の醍醐味!!

小峰さんの絵から僕の心に飛び込んできたものは「黄緑」。
他の色も描いてあるのに、黄緑だけが僕を支配してしまった。
その黄緑が次に呼び込んだのは、マイク・オールドフィールドのアルバム「Hergest Ridge」のジャケットに描かれた緑の草原惑星のうえにいる犬とグライダーでした。

「えとうた」では自分の意図で曲を作る事はせず、小峰さんの絵が想起させるものをそのまま作品にすることにしています。
よしじゃあグライダーの歌を作ろう!と決めたら、子供の頃から、よく空を飛ぶ夢を見ていたことを思い出し、自分がグライダーになって夢の中でのように、草原の真上を飛んで行く曲にすることに。

人は夢の中だけで生きて行くことはできません。夢がさめると現実が待っている。
アソシエーション風のドリーミーな歌のあいだに、あえて辛いリアルライフを別のシリアスなメロディーにのせてインサートしたので、ちょっとした組曲風に。
まさかこんな曲ができてくるとは自分でも驚きでした。

初回に比べると久保田君も僕も、「えとうた」のテーマの壮大さからやっと解き放たれ、さらに自由な表現になってきたのは大収穫でした。
もちろん小峰さんのマイキングの上達も目を見張るものが!!
はやくも第3回が楽しみに。

「えとうた」に足をはこんでくださったみなさん、PAを務めてくれた富藤君&BOSEのスタッフのみなさん、そして現代ハイツのスタッフのみなさん、どうもありがとうございました。どうか次回にもご期待ください。

そして気持ちよく打ち上げに入り、みんなはワイン、僕は辛口ジンジャーエールで乾杯!!
なぜか金縛りや円盤、気功の話からアラン・メリルのウォッカ・コリンズまで出て大盛り上がり、そのうちどんどんメートルが上がってきたとき、ひょんなことから、ついに驚愕の事実が発覚したのでした。
まさかさかさま! まさかのまさかな事実がついに白日のもとに!


$伊藤銀次 オフィシャルブログ 「SUNDAY GINJI」 Powered by Ameba


それは意外にも、1987年リリースの「Attack Of The Mashroom People」というアルバムにまつわるものだった。 … 。
それは … 。
で、つづくー。