この1週間あえて何もしないでひさしぶりにのんびりしてみた。
命の洗濯というのか、何もしないでいると、やがて体の中にじょわじょわと、うるおいが音を立ててみなぎってくるのがわかる。
年をとってきて思うのは適度に時間をみつけては積極的にサボルことも必要だと言うこと。
若い時はひたすら交感神経イケイケ型でつっぱしっていたが、今は副交感神経が立ち上がっている状態で、ゆったりと物事を眺めたり作品作りを楽しむように変ってきた。お酒を呑まなくなったことが大きいのかもしれない。
何はともあれひと区切り。ここで一息いれて,今年の下半期を迎えることにしよう!

そんな風に過ごしていたら、なんと忙しさにかまけていたために、とっても大事なことをみなさんにお知らせするのを忘れていたことに気づいた。オーマイガッ、なんてこったい。許しテーナ。

現在、徒然なるままにレポートをお届け中の、「uncle-jamのuki-uki☆music club vol.7」。
その5月5日と6日の 2 days で、なんとuncle-jam史上はじめて、その日のライブを録音、その場でCDにこんがり焼いて、焼きたてホカホカを、即、ライヴ終了後に販売するという快挙に出たのであった!

あー、なんでこんな大切なことを今までお知らせしてなかったんだ。
これを聞いていただければ、なおこのレポートが楽しんでいただけたというのに。
いやはやなんともスマンの涙。遅ればせながらも銀ドジからドドンと2枚です。


$伊藤銀次 オフィシャルブログ 「SUNDAY GINJI」 Powered by Ameba


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まるでビートルズの赤盤・青盤のようにカワユシなデザインは、uncle-jam関係のすべてのデザインを担当してくれている、原田隆司さんによるもの。おお、イッツ・グルーヴィーじゃない?
レコーディングとCD制作はhoy-hoy recordsの全面協力を得て実現しました。多謝多謝!


5/5と5/6のライヴ当日だけの販売ではなく、今でも hoy-hoy records で 購入できますので、ご参加できなかった方も、通販で入手してuncle-jamのライヴを楽しんでくださいな。


http://www.hoyhoy-records.com/news/201205.html#1205_2


ここからのレポも、このライヴ盤があると数倍おもしろく楽しめます。ぜしぜし!!


さて、それでは再び Back to 風知空知。遅々としても母としても進まない鈍牛レポ。
uncle-jamライヴ名物、その場でお題をいただいて曲作りのコーナーへ。

昨年の10月9日に、お客さんからいただいたリクエストは「帽子」。
その言葉からパリの帽子屋さんのイメージがそのとき見えてきた。
パリには一度も行ったことがないので、そのとき浮かんできた街の景色はきっとフランス映画でみたものにちがいない。

その店のショーウインドウに帽子がひとつかざってある。
なぜかそれはオードリー・ヘプバーンが、映画で、たぶん「ティファニー朝食を」でかぶっていたものと同じ。歌の主人公はそれを日本で待つ彼女へのプレゼントにしようと決めるところから、この歌の詞の世界が始まりどんどん広がっていった。あまりに広がり過ぎて、結局、詞は5月のライヴに間にあわせることができなかったのだが ... 。

そのとき同時にうかんできたメロディは3拍子のシャンソン。
子供の頃、よくラジオから流れていた「シャンソン」はなんだかみんな3拍子だったような気がしていた。僕だけかもしれないが、パリならシャンソン、シャンソンなら3拍子というイメージは,僕の中での一種のお定まりだったのである。

「シャンソン」とはフランス語で「歌」という意味。おもしろいことにイタリアの「カンツォーネ」も「歌」という意味らしい。

フランスで生まれたシャンソンは、第2次大戦後の50年代から60年代にかけて,日本でも石井好子さんや芦野宏さん、越路吹雪さんなどの登場によって一大ブームを巻き起こした。
ロックに出会う以前、まだ子供だった僕も、本家のイヴ・モンタンやエディット・ピアフの歌うシャンソンをラジオから何度も聞いた記憶がある。

「ラ・メール」「枯葉」、「美しき人生(ラビアンローズ)」「愛の讃歌」とシャンソンの名曲はつきないが、その中でも子供だった僕が強く印象づけられたメロディーがこれだった。







パリといえばシャンソン、シャンソンといえば3拍子という僕の中の偏見の原因は、すべてこの曲のせいだといってもいいだろう。それほどに、この切ない美メロと,哀愁のアコーディオンの響きが,子供の頃の僕の深いところに侵入し、知らずのうちにその後も秘かに住み着いていたのであった。
そしててっきりこの曲が、「パリの屋根の下」という曲だと思いこんでしまったのだった。
「パリの屋根の下」! なんてすてきなタイトル。まさにこの曲にぴったりだとね。


ところが、このブログを書くために、この曲のことを、5月のライヴのあと調べてみたら、原題が「Sous le ciel de Paris」、sous は英語のunder、ciel はシエルで、おなじみの「ラルカンシェル(L'Arc-en-Ciel)」のcielで「空」の意味、つまりこれは「パリの空の下」。
似てはいるけれど、まったく「パリの屋根の下」ではなかった。 ショック!
ずっと何年も僕はこの曲こそが「パリの屋根の下」だと思い込んでいたのに ... 。

じゃあ「パリの屋根の下」という曲は単なる僕の幻だったのか? そんな馬鹿な。
僕の妄想ではなく、確かにそのタイトルは存在したはずだ。
そこで調べてみると ... あった、あった、確かにあったぞ!





こちらの原題は「Sous les toits de Paris」。toitは「屋根」だから、まちがいなく「パリの屋根の下」。曲については思い違いをしていたが、「パリの屋根の下」はまちがいなく存在した。


聞いてみると、なんとなく昔耳にしたことのある懐かしさを感じるメロディ。
おお、シャンソンだ。
うん? こ、これは... 、ま、まさか! な、なして? そ、そげな? ...

42秒あたりから始まるメロディーは、なんとかメロディーだけ完成させて、5月5日&6日にみなさんの前にお届けした「(仮)Paris Hat」のメロディーに、とてもよく似ていたのであった! 
なして? いったい銀次の潜在意識になにが起こっていたというのか?


おもわぬところで深い話に ... 、それでもじんわり、つづく。