残念、昨日10日はあいにくの曇り空で、三軒茶屋のランドマーク、キャロットタワーの26階から富士山を拝むことはできなかった。

昨日は杉真理君の「アフタヌーン・パラダイス」という番組にゲスト出演。キャロット・タワーの26階の展望ロビーにある、エフエム世田谷のサテライトスタジオ「スタジオキャロット」からの生放送だった。

恐れていたダジャレ・ヌーボーの栓は開かなかったけれど、杉君とアシスタントの葛野裕美子さんの温かいもてなしに話がはずんであっというまに時間が過ぎた。
東芝EMIイヤーズ5タイトルから2曲かけていただけるということで、悩んだすえ、「Destination」と「ロックスターの悲劇」をかけていただいた。

メッセージをくださった方達、どうもありがとう。そしてこの日のためにスタジオまで駆けつけて観覧してくださったTa-chanさんたち、どうもありがとう。写真はちゃんととれていましたか?
そして杉君、葛野さん、番組のスタッフのみなさん、ありがとう、お世話になりました。


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僕の出番は終わったけれど、せっかくだから番組の終了を待って、杉君とスタッフの方たちと焼き鳥屋さんへお食事に。イヤーつもる話がいっぱいあって盛り上がること盛り上がること。できればこちらを放送したかったくらいだ。

杉君もYouTubeをいろいろチェックしていて、すごい映像を教えてくれたので、みなさんにもおすそわけしようかな。これグットきちゃうんだよ。





細かいところを気にしないで見てると、まるでほんとうにこんなライヴ映像が残っていたのかと思うくらいの出来。なにはともあれこういうものを作りたいというビートルズ愛がうれしいじゃないか。
(パチパチパチパチ ... 。)


やっとビーチ・ボーイズの「スマイル」をゲットした。
僕はそれほどビーチ・ボーイズやブライアン・ウィルソンに詳しいわけでも得意でもないので、いまさら関わるのはいかがなものかと躊躇したが、高校生のときに楽しみにしていたこのアルバムがなんらかのいわくがあってオクラになり、代わりに「スマイリー・スマイル」というアルバムが発表されたときのモヤモヤした気持ちをなんとかしたくて、やっぱりゲットしてしまった。

「スマイリー・スマイル」は悪くないアルバムだったけれど、「ペット・サウンズ」からの流れにない感じは否めなかった。ブライアンが本当はどんなものを作っていたのかをいつか確認したかった。

まさかそんな日はこないだろうとあきらめていたら、いままで小出しに小出しに「スマイル」が徐々に世に姿を現してきて、これはひょっとして完全版が出るのか、じゃあそのときまでじっと待とうと決めていた。まっさらな耳でオリジナルの「スマイル」が聴きたかったから。


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エピソードも知りたいので、あえて日本盤にしたのがよかった。萩原健太さんのすばらしい解説で、過去のビーチ・ボーイズの作品群にこのアルバムの楽曲がどう関わってるのかがよくわかって、「スマイル」を迷子にならずに聴くための地図のような役割を見事に果たしていてくれた。これぞまさに解説というもの。

感動的なのはブライアン自身によって書かれた「Music Is God's Voice」(音楽は神の御声)というライナー・ノーツ。これを読むことができただけでもゲットした甲斐があったといってもいいくらいの、心うち震えるすばらしい文章である。

その中でも、「スマイル」は「神に捧げるティーン・エイジ・シンフォニー」を作りたかったというくだりにグットきた。この言葉をしっかり胸におさめて全体を聴くことができたから、僕は素直に1967年にタイムスリップできた。見事に「ペットサウンズ」の続きから聴くことができたのである。

いい音楽を聴くのに注釈や能書きは本来必要ないが、ポップ・ミュージックが流行歌であるかぎり、その音楽が生まれた時代の空気感や背景、エピソードをより知って、H. G.ウェルスの「タイムマシン」のように、その時代に擬似的にタイムスリップすることができたほうが、その音楽をもっと身近にリアルに感じとることができると思う。


このスマイル・セッションのすべてを発表するひとつの大きなきっかけの中に、ヴィンス・ギルとジミー・ウェッブ、デヴィッド・クロスビーが「サーフズ・アップ」を歌ってくれたことを、そのライナーの中で象徴的に語っていた。なに?あのカントリー・シンガーのヴィンス・ギルが? 彼はすばらしいシンガーでありながらも、名うてのカントリー・ギターの早弾きの使い手だったりもする。いったいどんなことが起きていたんだろうとYouTubeをあたってみた。あったぞ。





これはブライアン感動するよね。これぞまさしく「神に捧げるティーンエイジ・シンフォニー」だ。

リード・ヴォーカルは順にヴィンス、ジミー、ヴィンス、デヴィッド。2001年3月29日、ニューヨーク、ラジオ・シティ・ミュージック・ホールで行われたブライアン・ウィルソンのトリビュート・コンサートでの出来事。ビーチ・ボーイズ以外のアーティストで聴くと、ブライアンの作曲家としての才能がさらによくわかる。

確かにこの「スマイル」はお客さん側から楽しむにはむずかしい作品かもしれない。
才能のある音楽家があらゆる制約から逃れて自由に作ったらこうなるという、ドキュメントのようなものだから。その様を楽しむことができないと、なんにも面白みのないアルバムかもしれないが、音楽を創る人にはとても興味深い作品集ではないかな。DVDについているメイキング的な、楽屋をのぞくような楽しさがある。

作り手としての目線で音楽に関わっている人たち、いまの日本のポップスにない新しい音楽をめざしている若きミュージシャンたちにぜひとも体験してほしいアルバムだ。