24日はアルバム「NATURE BOY」のリマスタリング。23日の「GET HAPPY」に続いて、エンジニアの
阿部充泰さん、Fly High Recordsの土橋一夫さん、そして僕の3人こっきりの作業が始まった。
地下2階まで降りて、マスタリング・ルームへと向かうと、うれしいことに、こんな看板が... 。


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この絵は「山羊座の魂」のジャケットの銀ちゃん人形。なんとエンジニアの阿部さんがクレヨンで自ら書いてくださったもの。なんて粋なはからい。なんてさりげないもてなしの心。ギンジカンゲキである。
23日はボーナス・トラックが6曲もあったので、時間がなくて写真におさめることができなかったが、
あまりのかわいさにみなさんにも見てもらいたくて、土橋さんがデジカメでパチリ。メールで送ってくださった。そしてみなさんにもお裾分け。いかがですか?

そして「NATURE BOY」はついにその真の姿をあらわした。まさにそんな感じだった。
なんかようやく落ち着くところに落ち着いたという感じ。わかってもらえるだろうか?
当時僕が目指していたのは,洋楽的な、音数が少なくしかも立体的なアレンジメント。
それがやっと今回のリマスタリングで完成をみたような気がした。
1987年にアナログ盤でリリースしたときにも、またその後初CD化した時にも得られなかった満足感。制作時に僕の頭の中で鳴っていた響きにようやくたどりついた。


そして「GET HAPPY」に続いて、リマスターの魔法で予想外な曲が100倍魅力的になった。
それは「Heaven」や「Rock'N'Roll Child」などのロックンロール・チューンである。

アルバム全体にアダルトな雰囲気の「NATURE BOY」の中にあって、この2曲はどことなく居所が悪い感じで聞こえていたのが、リマスタリングのおかげで、やにわにドライヴ感とリアリティーが出てきて、ようやく居所を見つけた。この2曲の存在感が増したことで、しっとりとしたたたづまいに思えた「NATURE BOY」が実はとてもドラマティックなアルバムだとわかった。全体的に派手になって、威風堂々たるアルバムとしてここに蘇ったのであった。(パチパチパチパチ ... 。)

おおっ、とにかくみんなに早く聞かせたい。リマスターによってこんなに変るなんてスゴイよー。

「Heaven」が生き生きと蘇っていくさなか、そうだ、この曲はシンディ・ローパーの「Change Of Heart」にフィル・コリンズの「Sussudio」を掛け合わせたような感じという閃きから始まったことを思い出した。もちろんまったくちがう曲になったけれど、今ひさしぶりに聞いてみると面影は少し残っている。





ボーナス・トラックにはライヴから4曲。ジャミロクワイ並みのファンクっぽい「Destination」や、
柿原朱実さんのフィドルをフィーチャアーした、フォルクローレなアレンジの「Nature Boy」などのレアな演奏を収めることができた。ラッキーなことに音質もとてもいい。こうやって自分の過去の足跡をCDに残すことができるなんて僕はほんとに幸せ者だ。


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せっかく阿部さんが銀ちゃん人形の絵を書いてくださったので、「山羊座の魂」から20年たった今、本人が同じポーズをとって見た。残念ながらギターはなかったけれどいかがかな?

次のリマスタリングは30日、いよいよイギリス3部作の第1弾「HYPER/HYPER」だ。