昨日からついに、東芝EMI時代の5枚のアルバムのリマスタリングが始まった。リリース順に1986年の「Get Happy」からスタート。この5枚のCDは92年にソニーのキューンレーベルで、ポリスター作品がリマスターでリリースされたときに、タイミングを合わせて一度再発されたが、そのときにはリマスタリングは行われなかった。なんとどれも約25年ぶりのリマスタリング。
エンジニアの阿部充泰さんの手によって、再び生命が宿され、どの曲も信じられないほど音がよくなっていくのがたまらなくうれしい。

マスタリングっていっても一般の人にはわかりにくいだろう。ミキシングで各楽器や歌の音色やバランスが出来上がった完成形を、に焼く手前の最終チェック・ポイント。各曲の帯域を補正してアルバム全体のばらつきをなくし聞きやすくする。もうバランスはいじれないけれど、この最終段階でアルバムの音が決まる。

近年このマスタリング機材の精度がどんどん上がってきている。かってCDが初めて世の中に登場したときと今とでは,同じ音量とは思えないほど音の立ち上りがちがう。それだけ元のマスターテープに録音されたものを再現できるようになってきているということだ。

1972年に初めてごまのはえでシングル「留子ちゃんたら」を出した時、こんな出来事に出会えるとは思いもしなかった。この作業が終わると、僕のソロ作品はすべて21世紀ヴァージョンとしてサヴァイヴすることになります。信じられない!まさにアーティスト冥利につきることだ。

応援してくれてくださってたファンのかたたち、レコーディングに関わってくださったミュージシャン、スタッフのみなさんの力添えがなければ実現しなかった。銀次は感謝しています。ありがとう。


「GET HAPPY」、各曲を聞いているといろんなことが思い出されてくる。東芝EMIという大メジャーに移籍したプレッシャーとか、音作りでスタッフと衝突したこととか、新しいことに挑戦しようとしていた冒険心と混乱がいりまじったレコーディングだった。そんなことがあったので、僕はその後あまりこのアルバムを聞くことがなかった。

25年を経て新鮮な耳で新たにマスタリングされた曲たちを聞くと、印象がまったく変った。あまりのことにディレクションをしてくれている土橋さんに「あの、曲順変えたいんですけど..。」と言ってしまった。

もちろんすべての曲が10倍くらいよくなっている中、それほどその当時自分の中では一押し曲ではなかった「夏のシャングリラ」や「ANGEL」が100倍いい。
土橋さんは「Kids Are Alright」がお気に入りだった。「TINA」もさらによくなったよ。

そしてボーナス・トラックに小林克也さんとのユニットによるシングル「IMAGINE」と「Whatever Gets You Thru The Night」。これはまるで洋楽。リマスターでさらに洋楽。「土橋さん、やっぱり曲順変えてたいんですけど ... 。」無茶である。ボーナストラックが本編に混入しているリマスター盤なんか聞いたことがない。でもそんな気になってきた。



克也さんとのコラボ、やっといてよかった。リマスター後の音はこれの200倍はいいです。


さらにライブ音源からボーナストラックが4曲。おっとしゃべり出したら止まらナイトになってきた。
またくわしくは発売直前に特集記事を組んでご紹介するのでお楽しみに。


19日の神戸チキンジョージ、そしてこのリマスタリングに合わせてすっかり朝型になって体の調子はよくなったけれど、話題がずれこんできて、チキンジョージのライヴ・レポ後編、G. S. I Love You秘話などが遅れ遅れになっている。スマンの涙です。でも終わったわけではない。つづくなのです。

今日もこれからマスタリングへ。本日は「Nature Boy」。しばらく朝型銀次でいたいと思います。



きみきみ、それは朝型やのうて花形やろ?


なんと、「Whatever Gets You Thru The Night」のサックスはダディ柴田さんだった。その魂のプレイにあらためて感動。このタイミングでダディさんのダイナマイト・サックスが聞けるって何かあるのかもしれない。うれしいシンクロニシティーだ。