昨日はやっとこさ、黒沢秀樹君との往復書簡ブログ「uncle-jamのR&R Diary」を更新した。黒沢君の最後の更新からいつのまにかなんと3ヶ月も立っていた。
楽しみにしておられたみなさん、お待たせいたしました。黒沢君の上の句「ドライブミュージック#1」を受けて、車の運転のできない僕の下の句は「歩く男」です。

http://ameblo.jp/unclejammusic/entry-10994502404.html


Back to Moment SUMMER SESSION 2011。
ワンマン・ライヴとちがって歌う時間が短いので、こういうジョイント・ライヴのほうが楽だと思われる方も多いだろうが、僕はワンマンのほうがやりやすい。
ワンマンの場合、リハからそのまま本編に入れるので、集中力を維持したまま演れるからだ。
たとえ2時間でも3時間でも、たとえ朝まで生銀次でも(やったことはないが)、気力・体力とも平気のへいちゃんである。
19日はトリを務めさせていただいた。なので2時間以上楽屋でウェイティング。待ち疲れでもないが、早めにやる気が漲(みなぎ)っちゃったりした日は,肝心の出番のときに,その日の気分のピークじゃなかったりする。

ましてリハが良かったりした日には大変である。その気分を2時間もキープするのはむずかしい。
この日のリハはたぶん今までのモメカル(モーメント・ストリング・カルテットの略)とのライブで一番だった。もちろん本番もよかったけれど、
あのリハには何かが降りてきていたね。
このへんの気持ちの持っていきかたのむずかしさがジョイント・ライヴのすべてだ。

この日のトップ・バッターは久保田洋司君。
始まる前に「いつもトップは僕なんですよ。」っていってた。いいなあ、僕はトップ・バッターが気楽で好きだ。思わず替わろうかと言いそうになったが、直前での出番変更はいろんな人たちに迷惑がかかってしまう。チキンジョージでトリというのも縁起物でいいかもと自分を納得させた。



19日のチキンジョージのセットリストは次のとおり。

01) Summer Holiday
02) Lullaby in Ragtime
03) The Second Star To The Right (右から2番目の星)
04) パパラプドゥ・ピピラプドゥ
05) Shade Of Summer
06) Stardust Train


せっかくモメカルで歌えるのだから、やっぱり、いつもの自分のライヴとは一味ちがった銀次を見せたい。弦楽四重奏というと、普通クラシックを思い浮かべるが、僕は映画音楽やミュージカル、ロック以前のポピュラー・ミュージックというイメージを描いてしまう。

毎月、武蔵小山のアゲインでモメカルの定例ライヴがあり、僕はゲストに呼んでいただき、こういったカバーを歌わせていただいている。それがどれだけ、自分の中に息づいているロック以前のポップスを再確認になっていることか ... 。それを関西方面のかたにも味わっていただきたかった。

「Summer Holiday」はクリフ・リチャードのカバー。1年前の8月14日、銀座のアップルストアでモメカルをバックに初めて歌ったら、とても気持ちがよかった。ただタイトルがタイトルだけに、そう年柄年中歌ってはいけないような気がしてずっと歌ってなかった。僕のメニューの中の季節物。だからこれで生涯2度目だったのだ。

「Lullaby in Ragtime」は映画「五つの銅貨」で主演のダニー・ケイが歌ったもの。子供の頃から大好きな曲だった。きっとこの系譜からニルソンやランディー・ニューマンに惹かれていったのではと思う。うれしいことにニルソンもこの曲をカバーしていたのだ。





続く「右から2番目の星」はディズニーのピーターパンの主題歌。「星に願いを」に匹敵するほどの名曲なのに,日本ではいまいち認識度がが低い。なぜだろうとよく考えて見ると、その理由はただ邦題にしかないと思った。意訳っぽくても、もっとイメージの広がる邦題がついていれば人気がでるかも知れない。そこで日本人にドリーミーな気分を与える邦題を考えてみたが、まったくでてこなかった。

ライヴに来られたBlueMoonRoseさんからコメントをいただいて、ジェームス・テイラーがこの曲をカバーしていることを知った。この曲が収められた「Stay Awake」というディズニー・トリビュートのアルバムの存在も不勉強ながら初めて知った。うれしい情報をどうもありがとう。
僕の大好きなアーティストたちと同じルーツ、好みを持っていることが確認できたことはかなりうれしい。






その2曲の後での「パパラプドゥ・ピピラプドゥ」とくれば、もうまちがいなく、この曲がそういった音楽への僕からのアンサー・ソングだと理解していただけたのではないかと思う。

最後の2曲はやっぱりオリジナルでしめることに。「Summer Hoilday」とはちがって同じ夏の歌でも、「 Shade Of Summer」は一年中歌っているが、やはり夏に歌うのは格別な気分である。

しっとりとした曲が続いた。最後は華やかに「スターダスト・トレイン」。
モメカルと演る「スターダスト・トレイン」が好きだ。ドラムもベースもいないのに、すごくエレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)っぽいからだ。

弦の編曲をやってくれている小弥君にこの曲のアレンジをお願いしたときに、ELOの「Twilight」を聞いてもらって、このリズム隊のゴンゴンゴンゴンいう、八分音符の連打を弦でお願いした。カルテットだけでなんとかELOの感じを出せないかという、かなり無理なお願い。
「ほんとにゴンゴンゴンゴン、やっちゃっていいんですね?」という小弥君に、「ああ、行っちゃって行っちゃって。」と割と軽めに答えていたら、ほんとにイントロから、チェロがゴンゴンゴンゴン。
これに僕のアコギのゴンゴンゴンゴンが重なるとこれが妙に興奮してしまう。
クラシックの楽器でロックをするのは、どこか「いけない」ことをしているようなスリルがある。
なんとなく「A Day In The Life」や「All You Need Is Love」のとき、ビートルズがどんな気持ちだったか想像がついてきた。





アンコールは僕と久保田君でビートルズの「エリナ・リグビー」をハモった。むむ、なんか思ったよりすごく声が合ったぞ。僕の声って誰とでも和する「八方美人」ヴォイスなのか?

そして奈々子さんと僕で「ムーンリバー」。奈々子さんのキーなので僕は水原弘やフランク永井、はたまた若山弦蔵、ルー・リードばりの低音で勝負しなければならなかったが、アンニュイな奈々子さんのアティテュードにはかえってこのほうがよかったかもしれない。僕が1番、奈々子さんが2番を歌った。

楽しんでいただけましたか? まさにThe Only oneのイベントだったのでは?
見に来てくださったみなさん、チキンジョージのスタッフのみなさん、そして出演者のみなさんどうもありがとうございました。とりわけモメカルのみんな、ほんとにお疲れさまでした。いつも素敵なアンサンブルをありがとう。

ライヴ終了後、夏も冬も関係ない、チキンジョージ名物の鶏鍋で打ち上げ。これがうまい。
長くなりそうなので続きは明日。
うれしい再会があって積もる話がしっかり積もっちゃったので明日ののココロなのだ。