いつもいつも「サンデー銀次」を読んでくださってありがとうございます。
みなさんからコメントがずいぶんたまってしまいました。粛々とお返事をしていきたいと思います。
どこかの国のどなたかとはちがって、一応のメドが立ったら、G. S. I Love Youの続きをいきますので。
それでは、「サンデー銀次」名物、みなさんから寄せられたコメントへのお返事です。


■ ジュリー部 部長さんへ

☆
芦屋でのライヴ楽しゅうございました。あら、なぜか岸朝子さん風になっています。
いつもレフトアローンに足を運んでくださるジュリー部のみなさんに何かプレゼントはできないかと、自分にゆかりのある「お前にチェックイン」を選びました。きっとみなさん♪チュルルーと歌ってくださるのではと思っていましたが、想像以上の盛り上がりかたで、ここは大阪城ホールかと勘違いしてしまうほどでした。


部長さんの、「擦り切れるほど聴いたMal Waldronのレコードと初期レフトアローン」というくだりになんかジンときてしまった。なんともいえないロマンを感じてしまいましたよ。
深く追求はいたしませんが、行間に何かドラマを感じます。レフトアローンと言えば、ジャズ・ピアニスト、マル・ウォルドロンの代表作。
部長さんの過ぎ去りし日々にこの曲がどんな存在だったのか、そして芦屋「レフトアローン」がどんな「場」だったのか、ちょっぴり気になってしまいました。





ジャッキー・マクリーンのアルト・サックスが、切々と訴えてきます。この曲は、ビリー・ホリデイが亡くなるまで彼女の伴奏をつとめたマルが、彼女の死後、彼女に捧げた追悼アルバムのタイトル曲でした。
直訳すると「ひとり残されて」。切ないタイトルです。
天才トランペッター、クリフォード・ブラウンの死を悼む、「I Remember Clifford」と共に、僕がなんとなくしんみりしたいときに聴く曲です。





リードをとるのは「The Sidewinder」でおなじみリー・モーガン。その横で伴奏をつけているのが、この曲の作曲者、テナーサックスのベニー・ゴルソンです。ひさびさに聴いたけどやっぱりいい曲だ。

ビリー・ホリデーの「The Very Thought Of You」が、メル・ギブソン主演の映画「フォエバー・ヤング」の中で、さりげなく狂言回しとして使われていたのが印象的でした。





映画を見終わった後、忘れられない曲になってしまいました。ストーリーはネタばれになってしまうので書きませんが、おすすめです。





当時この曲の入ったCDを探したけれど東京では見つからず、マスタリングで行ったニューヨークのCD店でやっと入手したときはうれしかった。

おや、キーワードがレフトアローンだったので、すっかり「真夏の夜のジャズ」って感じになってしまいましたね。

階段の上でライヴを見ていた僕の背中をごらんになっていたのですか? ドキっ、実はあのとき何か視線を感じていたのですよ。うーん、距離的には背中まで45秒ぐらいでしたか ... 。
僕も12月のレフトアローンが待ち遠しいです☆






■ みつさんへ

レフトローンお疲れさまでした。佐野元春カバー、お世辞抜きによかった。
しかも「レイン・ガール」を3拍子ヴァージョンで演っているところなんかニクいですね。
サンデーズからの助っ人、ぶっちゃさんとのコーラスもとても相性がよかった。「I'm In Blue」、「サンチャイルドは僕の友達」にはしびれましたよ。達郎君のチカラ技の曲もよかったけれど、シンガーソングライター的な元春のレパトリーが、とても声にフィットしていました。また冬にレフトアローンで聴けるのを楽しみにしています。 enjoy!






■ 苦楽健人さんへ

これは驚きました。「彼女はデリケート」をレコーディングした頃、僕が冗談で、「この曲のアンサー・ソングを作るとしたら、やっぱり『彼女はバリケード』だね 。」って言って、♪バリケード バリケードと、佐野君に歌ったことがあったからです。彼にはやたらうけて、ゲラゲラ笑ってくれました。苦楽健人さんも僕も、みな思うことは同じと言うことでしょうか? 





■ ジュリー部 碧さんへ

ジュリーの数々の名曲の中から、僕の人生の中に刻まれている「お前にチェックイン」を選びました。
下心ありに見えるこの詞に、愛とロマンを感じてしまいます。
「アダムとイブはいま愛し合ってる」と、「昔から恋人同士みたいさ」が特に好きなフレーズですね。

「ジュリーの曲って、それぞれの人生の中で刻まれてるんだなぁ」というお言葉、いいですね。
同じ曲なのに、聞き手によって様々な受け取られかたで、それぞれの心の中に収められているものです。
ときには作り手の思いもよらぬところで、曲を気に入っていただけてたりする。
曲の作り手の、手の中にあるうちは作り手のものだけど、いったん放たれた瞬間、曲は聴き手のものになるのだと思います。

思い出すのはウルフルズ、ブレイク直後の日比谷の野音。「ガッツだぜ」の演奏が始まると、招待者席の僕の左隣のお客さん達がやたら盛り上がってきました。ちら見してみるとサッカーJ・リーグの有名選手達でした。みんな拳(こぶし)ふりあげて、足を踏みしめ、「ガッツだぜ」を歌っているではありませんか。

そうか、彼らのようなスポーツ選手たちにこそ、この曲が支持されていたんだ。
スタジオで夢中になってメンバーとレコーディングしていたときには、そんなことは想像もできませんでした。
そうか、きっとつらい練習のときにも、この歌が全国のスポーツ選手を励ましていたのかも知れない。なんかうれしくて心が熱くなりました。

どんな風に楽しんでくださってもそれは聴くかたたちの自由です。
僕たちががんばれるのは曲がスタジオにあるうち。どんな形であれ、僕たちの作った作品が、手を離れたのちに、みなさんの心の景色の中においてもらえる、こんな素敵なことはありません。



邦題「素敵じゃないか」。 ドラムがちょっちハシっとりますが、まあ、レアな映像ということで  ... 。


またお会いできるのを楽しみにしています。





■ オーベルジュ潟山倶楽部さんへ

はじめまして。初コメありがとうございます。
みなさんに当時の空気感がリアルに伝わっていれば最高です。気長におつきあいくださいね。





■ 金閣寺さんへ

ただ一言、「僕もライブに行きたいです」のメッセージは胸に響くものがありました。どちらにお住まいでしょうか?お名前から察するに京都ではないでしょうか? 
チカラおよばずでスマンの涙です。また京都でもライヴができるようにがんばります。






■ †…MINA…†さんへ



†…MINA…†さんが沢田研二さんのファンだったとはちょっと意外でした。
エキゾチックスのレコードを買っていたとおしゃっていますが、それってひょっとして「Library」というアルバムでしょうか? それは超レアですね。CD化はされているのかな?

お尋ねの、僕が関わっていたというか、丸々1枚編曲をさせていただいた沢田さんのアルバムは、「G. S. I Love You」(1980)、「S/T/R/I/P/P/E/R」(1981)の2枚です。
続く「Wonderful Time」(1982)というアルバムでは、大沢誉志幸君の曲を2曲(「お前にチェックイン」と「 Stop Wedding Bell」)と、佐野君の「Why Oh Why」、そして木崎さんから依頼を受けて僕が書かせていただいた「素肌に星を散りばめて」の4曲を編曲させていただきました。
木崎さんからは、ジュリーの「あなたに今夜はワインをふりかけ」が帰ってきたような曲という注文。売野雅勇さんの詞のタイトルにもそれが顕われていて、ジュリー・ファンはすぐにピンとこられたはずです。
自分なりにそのイメージで作ったら、その頃ハマっていたジェフ・リンのエレクトリック・ライト・オーケストラみたいになってしまいました。





お返事にひとしきりメドがついたら、また続きをはじめます。楽しみにしていてくださいね。





■ 牛丼仮面さんへ


僕が髪を切った日、よくご存知ですね。70年代は笹塚のパット・シモンズと自分で呼んでいました。アルバム「Deadly Drive」のジャケット写真でそのロングヘアーぶりがわかると思います。


デッドリイ・ドライブ/伊藤銀次

¥2,500
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その胸ぐらいまであった髪を、1979年12月31日に切りました。なんてまあシアトリカル(劇場型)な男でしょうか。
髪を切ることは、何か自分のロックな生き方を捨てるような後ろめたさを感じていました。ただの錯覚でしたが。
ラジオからMの「Pop Musik」が聴こえてきた時、時代遅れな頑固ロック親爺になっていくような自分がいやになり、ぎりぎりまで迷ったけれど、大晦日にすっぱり切りました。
とたんに心も軽やかになり、僕の80年代が始まったというわけです。








■ Shinjig! さんへ

武蔵小山アゲインに足を運んでくださりありがとうございました。早々と次回も参戦を決めてくださりかたじけないです。
サービスに「Mountain Of Love」を歌っちゃおうかななんて思っています。

いやー、あなたが初めてですね。「サンデー銀次」のことを「日銀」(サン銀)と縮めた方は ... 。
「サン銀」は何となくわかりますが、「日銀」はすごい。円高のご時世なんで、思わず介入したくなったります。

80年代の半ばに、そんな放送局の放出バーゲンがあったとは「ちーっとも知らなかったよ」ですね。
晴海の10円シングル事件の時、大滝さんは有無をいわさず、「そこのシングル盤、オイラに全部売ってくんな。」とばかり勢い込んで買ってこられたので、2枚ダブってたものもあったようです。
なんと僕は、気前のいい大瀧さんから、何枚かダブっていたものをいただきました。メージャーズの「A Little Bit Now c/w She's A Troublemaker」やThe Pixies Threeなど、今でも大事に家宝にしています。



何となく師匠の匂いがする曲ですね。


まったく偶然ですが、この曲のプロデュースはジョン・マダラとデヴィッド・ホワイト。こないだの「銀流フォークロック伝」でご紹介したばかりの、スポークスメンのメンバーでもありました。
バリー・マクガイアの「Eve Of Destruction」のアンサー・ソング、「Dawn Of Correction」を演っていた3人組のうちの2人です




コメントどうもありがとうございました。
アン・ルイスさんの六本木心中がヒットした時、スタッフから、エアロビでよく使われているということを聴きました。テンポ的にちょうどよかったらしい。まさか、そんなふうに役立つなんて、スタジオでテンポを決める時には考えもしませんでした。

これからも「サンデー銀次」よろしくご愛読お願いします。