武蔵小山アゲインでの「話し出したら止まらナイト」、いやー、しゃべった、しゃべった、しゃべりたおした3時間30分でした。
おいでになったみなさん、最後までおつきあいくださりどうもありがとうございました。なかには、はるばる九州から来てきてくださったかたもありました。ほんとに冥利につきます。


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「銀流フォークロック伝」も回を追って4回目。今日は店長の石川さんのアイデアを参考に、質問のかたちでお客さんに投げたり、多めに作っておいたメニューを忠実に追うのではなく、そのときの流れや会場の空気感に応じてフレキシブルに伸ばしたりカットしたり、お話に比重を置いた展開。
やっとはじめて伊藤銀次の話芸の基盤(?)が見えたかなと感じるイベントになった。育ての親、石川さんにも納得していただけたようでよかったよかった。
うれしいことに早くも次回の「話し出したら止まらナイト」が9月18日(日)に決定。参加希望の方はどうかご予約を。

そんな石川さんの感想がコメントされているので、こちらをごらんあれ。今日1日はこちらでごらんになれる。

http://www.jah.ne.jp/~ishikawa/


昨日は3曲歌うつもりだったが、現場でリクエストをいただいたので4曲になった。
「話し出したら止まらナイト」なのにいきなり歌い始めたのが、自分の曲、Fで始まる「Flowers In The Rain」。作った当時はまったく意識していなかったが、僕のフォークロック。特に♪シャラララ・ラーラの部分はフーテナニーを感じる。昨日の話の「まくら」は「歌」だった。





ダンヒル・レコードの設立者、ルー・アドラーから始まり、ハーブ・アルパートやジョニー・リヴァースを経由して、バリー・マクガイア、スポークスメンにたどり着いて第1部終了。
ここまででおよそ1時間半。15分の休憩をはさんで、その日のお客さんからの質問に答える「銀次の目安箱」のコーナー。
その中で「日射病」にリクエストをいただいたので、予定にはなかったが歌わせてもらった。
しょっちゅう歌っていない歌で、心の準備もあまりできていなかったので、トロケバニラのあたりの歌詞がもにょもにょになってしまった。
しまった、時節柄この曲ちゃんと用意をしておくんだった。「あの娘に御用心」ならぬ「銀次は不用心」であった。



沢田研二さんと大瀧詠一さんの、第一次接近遭遇です。


ちょっぴり悔いが残ったが、この日のお客さんたちにはナイアガラーが多くて、とても喜んでくださったのでよかった。

みなさんからの質問に答えて、第2部に入ろうとしたら、石川さんからちょっとちょっとの合図が ... 。
そうだ、Cで始まる日本のグループのTで始まる曲をカバーするのを忘れるところだった。
クールスに書いた「Teenage Girl」のことを7月21日号「TEENAGE GIRL」でとりあげ、ひさしぶりに聞いていたらなんだか歌いたくなってきた。ひょっとすると生涯初めて歌ったような気がする。

第2部はダンヒルを支えたソングライター・デュオ、P. F. スローンとスティーヴ・バリのお話。
二人の比較論、音楽性のスローン、アイデアのバリの話をしていたら、かってまだシュガー・ベイブ・デビュー前の「DOWN TOWN」、「遅すぎた別れ」、「愛のセレナーデ」を山下達郎君と二人で作った時のことを思い出した。この時の山下君がスローン、僕がバリだったなとあらためて実感した。
このエピソードはそれだけで一山も二山もあるので、また別の機会にゆっくり語ろう。


P. F. スローンへの感情移入過多で、つい彼のことを熱を入れてしゃべり過ぎ、彼らが1966年に他のアーティストに提供した曲をたっぷりかけることができなかった。
次回はママス&パパスだが、オープニングで少しフォローしようかな。

そういえば、かけそこねたハーマンズ・ハーミッツの「A Must To Avoid」の邦題も「銀次は不用心」、じゃなくて「あの娘に御用心」だった。



スローン&バリのコンビの作品。フォークロック色が強い。


何か1曲最後にP. F. スローンの曲を歌いたかった。いろいろ迷って大直球の「From A Distance」(邦題 : 孤独の世界)を歌うことにした。それがPで始まるアメリカのシンガーのFで始まる曲だった。

日本で大ヒットしたこともあって、マニアックを気取るミュージシャンなら、あえて1曲というときには恥ずかしくて絶対選ばない曲。昔の僕ならたぶん避けたかもしれない。
P. F. スローンのことを調べながら、家でこの曲をくちずさんでいると、様々な思惑やかっこつけが消えて、いつしかこの曲の純粋な美しさにあらためて魅せられていた。
そうか、日本人が世界で一番P. F. スローンを評価していたのか ... 。

数々のヒット曲を他人に提供してきたにも関わらず、自らはエルヴィスやディランやビートルズのようなビッグスターになれなかった早熟の天才P. F. スローン。彼にめがけて直球一発ど真ん中、僭越ながらこの曲を歌うことで敬意を評して、この回の終わりとしたかった。



思わずおつかれさまと声をかけたくなる、枯れたFrom A Distance。旅路の果てにたどりついた境地を感じます。


アゲインのあるビルの1階のペットサウンズ・レコードの森さんが、イベントに参加してくださり、終了後、「生From A Distance」を喜んでくださっていたのには、まじうれしかった。
森さんからのお墨付きをいただいたので、顔が真っ黒になってしまった ... って、あまりの古典的ギャグで、スマンの涙である。

「Ami-go Gara-ge」で、大瀧さんがスローンの「From A Distance」の“モノマネ”には自信がありと書かれていたのがなかなかのプレッシャーだったけれど、「行け!行け!ドンドン」というタイトルと共に、暗喩として大瀧さんがハッパをかけてくださってたのではと、勝手に前向きに考えることができた。

ありがとうございました。ウルフルズの「びんぼう」や「大阪ストラット」のときいただいたアドヴァイスを思い出しました。