ワーオ、芦屋レフトアローンのレポにみなさんから熱いコメントをいただきました。どうもありがとう。
大阪城ホールから芦屋レフトアローンまで、たとえどんな場所でもみなさんと音楽を共有できることはこのうえない幸せです。悪天候の中、足を運んでくださったすべてのお客さんに感謝です。
そして素晴らしい機会を作ってくれた村主さんとサンデーズ、レフトアローン、すべての出演者とスタッフのみなさん、どうもありがとうございました。THANX A LOTです。

「G. S. I Love You」秘話が進行しているうちに、ずいぶんみなさんからのコメントが寄せられています。さてそろそろお返事をと思って書き出したら、なんと今日はやっちゃんさんへのお返事だけで終わってしまいました。スマンの涙です。きっと他の読者のみなさんにも楽しんでいただけるお返事だと思うので、ぜひやっちゃさん以外のかたたちもごらんになっていただければと思います。share and enjoy!


■ やっちゃんさんへ



はじめてのコメントありがとうございます。
おおっ、稲沢でのかまやつさんと僕との、あの超レア・ジョイント・ライヴにいらっしゃっていたというのですか? 
あれはもう20年ぐらい前のことですね。あがた森魚さんと、ガロの「ボーカル」こと大野真澄さんがゲストでした。
確か稲沢市の青年会議所だったかの主催の野外コンサート。会場が紅白の垂れ幕に囲まれていてそれがなんともファンキーだったのをよく覚えていますよ。
忘れもしない、ライヴが終わって一行で名古屋市内へ。打ち上げまで少し休もうと、ハートランドにやってきたら満員で少しお待ちくださいとのこと。するといきなりかまやつさんが「銀次さん、僕少し疲れたから休むよ。」と、入り口のレジの前の床に大の字になって眠り始めたのには驚きました。まわりにいっぱい人がいたのにですよ。その時、天衣無縫、豪放磊落なロックンロール・ボヘミアン、かまやつひろしさんのかっこよさを目の当たりにした思いで、僕は感激してしまいました。

あの頃僕は愛知とは縁がありました。まずかまやつさんの「ムッシュルーム・マガジン」という深夜帯のTV番組の中にコーナーを持たせてもらったことから始まり、「音もダチだぜ!気分はSession」という音楽番組では、ホストをやらせていただきました。東海テレビに通って収録したので、名古屋がすごく身近に感じられました。当時の東海テレビは音楽にすごく力を入れていてくれました。当時のスタッフのみなさん、わがままばっかり言って困らせて申し訳ありませんでした。いきなり番組の中でたこ焼きを焼きたいなんていう思いつきをおもしろがって収録してくださったり、遅ればせながらありがとうと言わせてください。

クールス・ロカビリー・クラブに提供したTEENAGE GIRLって覚えてますか?ということですが、忘れられるわけがないのです。
なぜなら僕が他のアーティストに提供した第2曲目だからです。ちなみに初めて提供した曲はやまがたすみこさんのアルバム「FLYING」に収録されている「クリスタル・ホテル」です。


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クールスから依頼を受けたときには、特にどんな曲というような注文はありませんでした。たぶんロカビリーっぽい明るくダンサブルなナンバーは揃っていることだろうから、あえて大穴狙いでロッカ・バラードを書いて見ることにしました。

1965年にスタットラー・ブラザースというカントリーのグループが「Flowers On The Wall」というヒットを出しました。当時はビートルズやストーンズ、フォークロックなどをチェックするために、ビルボードやキャッシュボックスなどのチャートを追いかけていたのですが、そのときに知ったこの曲が妙にツボにきて好きになってしまいました。特に気にいったのは歌詞でした。





「Flowers On The Wall」、文字通り「壁の花」。初めてタラコ・スパゲティーを出したお店の名前 ... ではありません。きみきみ、それは「壁の穴」やろが。 
「壁の花」とは、ダンス・パーティーで男の子から踊りに誘われず、ずっと壁際に立ったままの女の子のことなのです。
クールスから曲依頼を受けたときに、この「Flowers On The Wall」のことを思い出しました。詞の発想から作った曲、それが「TEENAGE GIRL」だったのです。
レコーディングには僕は全く参加しなかったので、どんな仕上がりかアルバムのテスト盤を聴くまでわかりませんでした。期待に心震わせて初めて針をおろした時に聞こえてきたのは、ギターのジェームス藤木さんのハートフルな歌いっぷり。僕の書いた詞とメロディの世界に魂を吹きこんでくださっていました。





この曲にはまだ逸話があります。時は流れて、2005年に相模大野グリーンホールで杉真理君と「マイルドでいこう」というライヴを演ることになりました。そのとき結成したバンドが「マイルドヘブン」。ドラムスが高橋結子さん。キーボードが渡辺シュンスケ君。そしてベースがクレージー・ケン・バンドの洞口信也君。

ごぞんじのかたも多いと思いますが、クレージー・ケン・バンドの横山剣さんは、後期クールスのメンバーでした。
僕が昔クールスに曲に書いたということを洞口君が横山剣さんに話したところ、剣さんが、「ああ、知ってるよ。TEENAGE GIRLだろ?」とご存知で、なんとさらっとソラで一節歌われたんだそうです。なんてことでしょう。別々だった点が線になり知らないうちに面になっていました。
洞口君からその話を聞かされたときは、心が熱くなって思わずうなってしまいました。

洞口君がメンバーに参加してくれることになったのはほんとにヒョウタンからコマでした。
あの05年の夏、僕はすっかり「グラン・ツーリズモ」にハマっちゃって、渋谷AXXでのハプニングス・フォー再結成ライヴにクレージー・ケン・バンドが出るというので見に行ったくらい「GT」な夏でした。






「マイルドヘブン」のメンバーを選んでいるとき、まったくの思いつきでクレージー・ケン・バンドのベースの人と演ってみたいと言ってしまいました。AXXで聴いたグルーヴ感、好きなタイプのベースだった。
だけど人間関係がまったくなかったので、ダメモト晋也カントクのつもりで言ってみたのが、なんと杉君のマネージャーのハコちゃんとベースの洞口信也君が同級生だったというとんでもない奇蹟。

単なる思いつきで集まったかにみえたマイルドヘブン。リハを始めてみると、これがまるで天の配剤。初めてとは思えないしっくり感のバンドでした。何なんでしょうか? このあいつぐミラクルは。
メンバー決めのとき何かが僕に乗り移っていたとしか思えませんね。


コメントありがとうございました。おもしろい話題を引き出してくださってありがとう。
明日もみなさんからのコメントにお答えしようと思っています。連載「G. S. I Love You」 は少しお待ちください。
これからも「サンデー銀次」ご愛読よろしくお願いします。