いつもお世話になっている武蔵小山アゲインの店長石川さんのブログを拝見していたら、なんと大瀧詠一さんのHP「Ami-go Gara-ge」 に、ほんとにひさびさに書き込みがあったとのこと。
いざ鎌倉へと、さっそくアクセスした。
おおっ、ナイアガラ・ラジオ館が更新されているではないか。オー、イッツ・ア・ミラクルだ。
まったくの偶然だと思うけれど、「サンデー銀次」6月1日号「ありがとう!お返事です。#52」
で苦楽健人さんのコメントへのお返事の中で
「まだまだ大瀧さんにしかできないことってあるような気がします。
誰もとって代われませんから。」
て僭越にも書かかせていただいた直後のことだから、とてもうれしい。ぜひポップス好きのよい子は、霊験あらたかなる「Ami-go Gara-ge」 に一度はお参りをしてくるように。

http://www.fussa45.net/radio/index.html

シュレルズについて語られている、「逮捕しちゃうぞ」で、ネット・ラジオのオールディーズのステーションを聞いていて、あの大瀧師匠をして知らない曲が沢山あって、それまでのプライドがズタボロになっておられるということが書かれていた。なんと師匠にもご存じない曲があると聞いた日には僕なんかどうなるのだ。
あらためて驚きを感じると共に、ナイアガラでも杉君といちにを争う、洒落頭(しゃれこうべ)の僕は、不謹慎にも、これではあんまりなことだな、ズタボロー・フェアだななんて関係ないことを思ってしまった。スマンの涙です。


ずっとエヴリデイ銀次で来てたのが、ちょっと途絶えてしまった。
ひょっとして何かあったのではと心配している人もいるかも知れない。
変りありません。だいじょうぶ。ただひたすらライヴの練習にあけくれてただけですから ... 。

別にネタがなくなったわけでもない。まだまだつきることなく話題はある。
おもしろがってくれる、楽しみにしてくれるみんながいてくれるかぎり、SHOW MUST GO ONなのです。
ただ自分のワンマン・ライヴが近づいてくるにつれ、自然と、頭が編集者的な文章モードではなく、ボディソニックな音楽モードになってきていて、「作詞家コネクション」や「おすすめ音楽映画ベスト10」 などの組み立てになかなか血がいかないのだ。
浪花のビート芸能人にアルマジロ、いやあるまじきでスマンの涙ですが、痩せても枯れても、やはり僕もミュージシャン、一秒一秒、一分一分、じんわり、じんわり、すべての体細胞が、6月18日に向けて集中し、一途に向かって行き始めているということなのである。

いよいよアコギの弾き語りライヴ 「I Stand Alone 2011」 の東京公演、西荻 TERRA まで、10日を切った。uncle-jamのライヴは定期的にやっていたから、ギターを弾いたり歌ったりの、現場感は全然衰えていないが、ワンマン・ライヴはまたちがう。それにほんとにひさしぶり。
しかも最低ひとりで2時間以上は演りたい。選曲にも頭を痛めつつ、ここんところ毎日ひとり練習に黙々と明け暮れていたのだった。

まだ新メニューが体になじまず、軌道にのるにはもう2、3日はかかりそうだ。
とにかくどの曲も僕に歌ってほしがっている。今の僕の気持ちと、歌の気持ちが折り合うまで、まだ少し時間がかかるようだが、それは決してめんどうなことではなく、こうやって本番にピークをもっていく行程は実に楽しい。

そんな合間に気づいた、くだらないといえばくだらない、おもしろいといえばおもしろい話題をひとつ ... 。

春先に震災や原発事故があったので気づかなかったが、いつのまにか野球中継が始まっていた。いま交流戦をやっている。
もっぱら最近はテレビを見ないので、ラジオで何となく野球中継を聞いていると何か違和感がある。なんかあれっと思うことが起こっているようだ。どこか変だ。なにか勝手がちがってしっくりこない。
やっとわかった。それはスポーツ・アナがストライクとボールの順番を逆に言うようになっていたからだ。

ボール・カウントがストライク、ボールの順だったのが、ボール、ストライクに変っているのだ。
つまり、今まではワンストライク・ワンボールといっていたのが、ワンボール・ワンストライクと呼ぶようになっている。どうやら大リーグに合わせて今年から日本の野球中継でもこの言い方に統一されたらしい。行政的にはそれで問題ないのだろうが、どうも聞いているほうには座りが悪く、何度聞いても落ち着かないのである。

そのうち慣れてくるというレベルではなく、前と比べるとすごくぶっきらぼうで、愛想なく、野球中継を聞いていても、いまいちはずまないのである。
今まで 「いやー悪い悪い、また頼むからー」みたいに軽やかだった人に、「いつもお世話になります」と言って、急に固い感じで頭を下げられたような感じだ。

いったいどうしてなのかと考えてみた。
今までの「ワンストライク・ワンボール」や、「ツーストライク・ツーボール」 の言い方は七五調、新しく大リーグにならった 「ワンボール・ワンストライク」 は五七調。
この2つを比べて何度かくちづさんでみると、七五調のほうが軽やかで調子がよく、五七調はなんとなくおさまりが悪く弾まない感じがした。

それで簡単にネットで調べてみると、「鉄道唱歌」や「荒城の月」「われは海の子」などの唱歌といわれるものや、演歌、歌謡曲には圧倒的に七五調が多いことがわかった。
元の歌奴、落語の三遊亭圓歌師匠の十八番、「授業中」でおなじみの、カール・ブッセの「山のあなた」の上田敏さんの名訳 「山のあなたの   空遠く    さいはひ住むと  人のいふ」
、これもみごとな七五調である。「ツーストライク・ワンボール」と同じだ。

かわって五七調は、素朴で力強い感じを与えることを特徴とするらしく、たしかに「君が代」「海行かば」「千曲川旅情の歌」などがその実例でうなづけるものがある。まじめでちょっと重々しい感じがして、曲の数も少ない。

僕には七五調のほうが開放感がありリリカルでポップに感じる。みなさんはいかがでしょう?
たぶん大方の日本人はこちらのリズムに心地よさを感じるはずだと思うが ... 。
そういえば。灰田勝彦さんの「野球小僧」は典型的な七五調である。





そしてチェッカーズのこの曲も七五調だ。





いま一番とまどっているのがアナウンサーや、解説のかたたちではないだろうか。なんか去年とちがうぞ、なんかリズムにのれないぞと違和感を感じていられるのではと思う。
同じ内容なのに下の2つをくちずさんでもらえればさらにその違いがよくわかると思う。

本場に合わす 今年から  ワンストライク・ワンボール(七五調)

今年から 本場に合わす  ワンボール・ワンストライク(五七調)

前者は実に軽やか、後者は生真面目でユーモアのない感じがする。
前者はメロがなくても歌になっている。

特にラジオでは、昔から野球の解説やアナウンスには名調子というものがあった。
それも講談や落語、浪曲など、およそ話芸と名のつくものの範囲内にあるものだとしたら、
知らないうちに七五調が消えて、ますます野球人気が陰らないのかというのは、いくら何でも考え過ぎだろうか?
野球はエンタテインメントなのだから、はずむ七五調でいったほうがと僕は思うのだが ...。
ワンツーとかツー・ナッシングといういい方すらもう聞かれなくなってきているのもさらにさびしい。