昨日は6月18日の西荻TERRAでのセットリストを考えていた。あれもこれもとセレクトしていくとあっというまに3~4時間コースになってしまう。困ったものだ。僕は朝まで歌っててもいいのだが ... 。

今回、今までアコギ1本ではむずかしいかなと敬遠してたある曲を演るよ。
ヒントを言っとくと、「こ」で始まる曲。これじゃわかっちゃうかな ... 。
もちろんみなさんのクラップの手助けがなければ絶対できない曲だから、ぜひ僕のライブに参加して僕のリズム隊となって盛り上げてくださいな。よろしくお願いします。


僕が「パブロック」について記事をかいている「 iPod Fan Special iPod touch 完全ガイド 2011」が
5月28日に発売された。「伊藤銀次のDear Music」という音楽コラムで、ここだけ読むために購入するにはちょっと割高に感じるかもしれないが、iPodに興味のある人にはぜひおすすめです。


iPod Fan Special iPod touch 完全ガイド 2011 (マイコミムッ.../iPod Fan編集部

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なんと杉真理君も同じこの本で「iPodがやってきた ヤア!ヤア!ヤア!」というコラムを書いている。
なんとも杉君らしいタイトルではないか。
この世界に、金銀2枚、いや杉・銀ふたりが読める本はめったにないんだから ... 。


本とCDはいつもまにか増殖してくる。あいかわらず暇を見つけては80~90年代のCDを整理中だ。
買ったときにそれなりに動機があって買ったものだから、1枚1枚聞いてから処分するかどうかを決めるので時間がかかる。今までも何年かおきにはこの作業をやってきた。そのたびに当落線上をさまよいながら、いつもぎりぎりセーフで、生き残ってきたCDが何枚かある。その中の1枚がこのMerchants Of Venusのファースト・アルバムだ。



ジャケのデザインはこれとほぼ同じ。今となってはレア.アイテムです。


どこか決め手に欠けるにもかかわらず、いつもなぜか生き残って僕のCD棚へのリターンを果たしていたこの1枚。今回もサバイバルした。なぜなんだろう?ヒット曲やインパクトのある曲がはいっているわけでもないのに... 。やっと今回その理由をつきとめた。

それはギターであった。ナチュラルなトーンだけどキラリとセンスが光る心地よさが僕好み。



3人バンド、中央が問題のギタリスト。


この曲や、「Solitary Fighting Man」、「Surfin' The Milky Way」などのアルバムの他の曲ではカントリー・タッチのフレーズも出てきてますます僕好み。派手さはないが、どこか技ありのギタリストなのだ。
その名前は SHANE FONTAYNE。シェーン・フォンテーンと読むのかな。

1991年のアルバムだから、このバンドは売れた形跡がないので、たぶんもうとっくに解散してっぽいが
このギタリストはどうなったのかが、なぜか気になってネットで調べはじめた。

そうしたら案の定、彼は1992年から1993年にかけてブルース・スプリングティーンのOther Bandツアーのギタリストを務めるなど引き続き活躍していた。



ブルースの向かって左。グレッチの人。2分08秒あたりからギター・ソロ。


おまけに「Walking In Memphis」で僕のお気に入りだったマーク・コーンとも仕事をしていた。これはかなりうれしい事実だった。




ピアノのマーク・コーンの後方で弾いてるのが彼。


なんかひとりで「あの人は今?」を始めたような気分になってきたが、さらに調べて行くと、意外や意外、僕はMerchants Of Venusより前に、すでに80年代にシェーン・フォーンテーンのギターと出会っていたことが、今頃になってわかったのだ。なんとローン・ジャスティスのギタリストだった。



女性ヴォーカル、マリア・マッキーの向かって左がシェーン。


スプリングスティーンのバンドに参加できたのも、どうやらローン・ジャスティスのプロデューサー、ジミー・アイオヴィンの仲介があってのことらしい。うーん、おもしろい展開になってきた。
いつも当落線上にありながら、僕の気持ちをくいとめて居残っていたMerchants Of Venusのアルバムから、まさかここまで発展することになろうとは夢にも思わなかった。
ただの「点」だと思っていたものが、「線」になり、やがて「面」になって行くプロセスだ。

ところが話はここで終わらなかった。

僕を魅惑したギタリスト、シェーン・フォンテーンは実はイギリス人で、これは芸名。本名はマイケル・バラカンだという。
バラカン ... 。そうなんだよね。ご推察どおり、あのピーター・バラカンさんの弟さんだったのである。
いやー、もう驚きなんてものを遥かに超えた、ビッグ・サプライズだったよ。

これで、このMerchants Of Venusのアルバムが、僕のCD棚の定位置をがっちり確保したことはいうまでもない。今後二度と当落線上にのぼることはないのだ。