8日の前日の夜、えらいことになっていた。前回より予約の数が多く、なんと定員をはるかに超えた数のお客さんがいらっしゃることが判明して、黒沢君とパニックになっていたのだ。
一般のお客さんにも、業界関係者の方達にもなるべくスタンディングでお見せしたくはなかった。ゆったりと楽しんでいただくのが「uncle-jamのuki-uki☆music club 」のモットーなので、当日、お店に席を特別に用意してもらったりしてなんとか対応した。それでもお席を用意できなかったお客さん、ほんとに申し訳ありませんでした。
次回8月7日は早くから何か対応を考えようと思っていますので、これに懲りずどうかまたみなさんこぞってご参加くださいね。

とはいえその日は大々大快晴。W晴れ男ぶりここにあり。♪どうしてこんなにいいお天気、ライヴが昼間だったら「日射病」を歌いたいくらいだった。

というわけで、前回を上回るお客さんが集まって大盛況のうちに「uncle-jamのuki-uki☆music club vol.3」がにぎにぎしく始まった。

オープニングはもはや僕らの定番となってしまった「Baby It's You」。シュレルスともビートルズとも、コステロ&ニック・ロウとも、どのヴァージョンともちがう、uncle-jam独自のヴァージョンだ。二人のハーモニーの呼吸合わせにはぴったりの曲。とかくリキみがちなライヴもこの曲で始めると、この曲の持っている大きさが、気分を引き締めおちつかせてくれる。

2曲目は、1981年に僕が竹内まりやさんに書いた「Crying All Night Long」。
前回の風知空知でのこと。オリジナルでは英語詞なので、uncle-jamのために日本語詞を書いてもらえないか、どなたかまりやさんにお願いしておいてくださいと、なかば冗談で会場にふったら、なんとその場でまりやさんにメールしてくださった関係者の方がいて、即座に「銀次さんご自身で書いてください」というお返事があったエピソードを話したらどっと受けた。

そして「ストロベリー・ワイン」。僕たちのライヴの売り物のひとつ、お客さんからお題をいただきその場で曲のモチーフをひらめきで作ってしまうコーナーで、初めて作った記念すべき1曲目がこの曲。
前回の曲披露のときに。特別にお店に作っていただいたスペシャル・ドリンク「ストロベリー・ワイン」が今回もステージに登場。uncle-jamのソムリエ、黒沢君が味見をして、お客さんにアピールした。

そして、前回いただいたお題は「パン」。そこでまたお店に作っていただいたのは「ゴルゴンゾーラチーズのピザ風パン」。そちらのほうは、京都でのパン食い経験者の私めが試食させていただいた。これがまた旨いのなんの。いつのまにやらすっかりパン食うロッカーとなってしまっている。

「ストロベリー・ワイン」を気持ちよく歌い終えたら、さあいよいよ「パン」の歌の発表だが、その話題になった瞬間に、黒沢君と僕の額に、あの「ちびまるこちゃん」の登場人物たちが驚いたり暗くなるときに額に現れる、あの影みたいなのが突如として現れたのであった。
悔しいかな、メロディ-は全部できたのだが、詩がほとんどできなかったのだ。スマンの涙である。
できたメロディーはソフトロック風。そしてそのタイトルは「かじりかけのトースト」。
アソシエーションみたいなイントロまで出来上がっていたのに ...。
しょうがないので、できている部分、といってもそんなにたくさんあるわけではないが、以外はラララでみなさんにご披露した。


A 人生は かじりかけのトースト

   ラララララ ラララララ ララララ ラーララ

人生は  作りかけのメロディ

  ラララララ ラララララ ララララー


B ラララ ララララ ラー (ギターリフ)

  ラララ ララララ ラー (ギターリフ)

ラララ ララララ ラーラララ

ラララ ララララ ラー


C ラララーラ ラーラ ラーラー それでいいのさ

ラーラ ラーラ らーラララー
              
ラララーラ ラーラ ラーラー それでいいのさ

ラーラ ラーラ らーラララー


というか。ほとんどできてないのね。ただ、言い訳になるが「それでいいのさ」というところは「これしかないのさ」というぐらい絶対これなのである。そう音楽の神が告げているのだ。
トーストから連想されるありきたりな朝ご飯の食卓の歌にしたくないと、ハードルを上げたのがいけなかった。10ccの「人生はミネストローネ」に勝るとも劣らないものにしようなんて思っちゃったもんだから。





でも黒沢君が「それはきっと僕たちの中にそうしたくなる、何か強い声があるからだと思いますよ。きっとそうですよ」と、この路線をけっして否定せず積極的に認めてくれているじゃないか。
ハードルをあげたくせに何だけど、ここはひとつ黒沢君のやさしさに甘えて、この先を全部預けてみようかと言ったら、銀次さんそれを丸投げというのですよと今度はきつく言われた。確かに ... 。

やっぱり最初に閃いた「アンパン、ジャムパン、クリームパン」の線で進めるべきだったのかと、今頃言ってみても遅いのであった。みなさんにはそんなわけなので次回の宿題にさせてくださいとお願いしたら、温かい「いいとも」の拍手。ありがとうございます。
今度は完パケ、すべてを揃えて用意して来ますので。ただ歌詞の内容はいまここに書いてあるものとはまったくちがうものになる可能性もなきにしもあらずです。

「パン」の歌もまだなのに、今回もまたお客さんからお題をいただくことに。
はい、いただきました。星3つ ... じゃなくて、いただいたテーマは「キャンドル」。

「キャンドル」と言えば、歴代名曲が多い。「sixteen Candle」や、エルトン・ジョンの「Candle In The Wind」など、どちらかというとしっとりとしたバラードが多い。





ムーディーなイメージがあるからだろう。だがとっさにその路線では何かの2番煎じになってしまうという神のお言葉があった。せっかくだから今までになかった「キャンドル」の歌がいい。なぜかうなされたようにポール・マッカートニー&ザ・ウイングスの「ハイ・ハイ・ハイ」みたいな、軽めでロックンな、調子のいいのが出て来てしまった。イメージとしては「キャンドルの灯を消すな」かな。さてどうなりますやら。ここはひとつ、また黒沢君のやさしさに甘えて、この先を全部 ... 。

というわけで次回は2曲の完成を約束して、続くインスト・コーナーへ。

昔、大村憲司さんとアコースティック・ユニットをやっていた。そのユニット名を「憲さん銀さん」とつけたのは大村さんだった。楽しくトラフィックの曲などをやってるうちに、二人のアコギによるクリームやジミヘンなどの曲のインスト名曲集があったらと、ある日閃いた。タイトルは「Acoustic Summer Of Love」。
かってはロックに燃えた世代も、スタンディングのライヴがきつい年齢に。晴れた日曜日の午後、ビールでも飲みながら、青春のロック・チューンをアンプラグドで聞けたらいいんじゃないかと、大村さんには内緒で、ひとりでデモテープを作ってみた。もちろん本チャンでは大村さんがソロ・ギター、僕はリズム・ギターのイメージでなんとなく3曲。もう少し増やしてから聞いてもらおうと思ってたら、突然大村さんが亡くなってしまった。主のいない企画はずっと宙に浮いたままになっていた。
uncle-jamを組んだとき、黒沢君に聞かせたところ、いいですねぜひやりましょうと言ってくれ、実現したのがこのインスト・コーナーなのだ。

そのうちの2曲が、ディープ・パープルとジミヘンである。
未発表のWhite Roomは、スライド・ギターを2本必要、もうひとりギタリストがいないとできない。
そのうち青山陽一君とギタリスト3人になったときにでもやってみたいものだ。

他にロック名曲をアコギでおもしろくできないかとギターをいじっていたら、天啓のように弾き方がおりてきた。ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」(Whole Lotta Love)をなんとかロバート・プラントの歌メロに和音をつけて弾けないかというアイデアが形になったのだ。

そこで前回演ったトラッド風ジミヘンの「紫の煙」(Purple Haze)」とメドレーにして演奏しすることに。タイトルは「胸いっぱいの紫の煙」(Whole Lotta Purple Haze)である。ぼくのような非喫煙者は、タイトルを聞いただけで気持ちが悪くなってくるけどね。
「胸いっぱいの愛を」のリード・ギターは僕、「紫の煙」のリードは黒沢君。
ファンキーからトラッドへと、これでますます音楽なんでも集団の芸風が広がった気がする。

そしてインスト・コーナーの大看板、大人のディープ・パープルこと「Burn Highway Star」。
風知空知で初演したときは、あのハードロックがこんな感じになるというので、笑い声もずいぶん起こったが、今回は真剣に聞いてくれてる感じだった。
後で関係者の人から、なんかずいぶんかっこよくなってきて笑えなくなってきましたなんていわれた。うーん、どっちがいいのだろう。でも笑いをとりにいってるつもりはないからこれでいいのだ。
それではその笑いが起きていた1回目の演奏を見ていただこう。




さて、ここまでで前半が終了。ここまでのセットリストは次のようである。


01) Baby It's You   (The Beatlesカバー)
02) Crying All Night Long (竹内まりやカバー)
03) ストロベリー・ワイン
04) かじりかけのトースト骨組み
05) Whole Lotta Love ~Purple Haze  (インスト)
06) Burn~ highway Star (インスト)


しばしの休憩の後、それぞれの持ち歌コーナから後半戦がスタートする。