作詞家シリーズへ行くつもりだったが予定変更。uncle-jamに動きがあったからだ。

FM COCOLOのMajestic Saturdayという番組へのゲスト出演が決まり、昨日23日は都内、深沢のスタジオにて収録。uncle-jam初のFMラジオ番組出演だ。

僕たちのお気に入り曲をめいめい1曲ずつ紹介できるというので、僕は二人の原点であるロックパイルのウキウキ曲「Teacher Teacher」を、黒沢君はトラヴェリング・ウィルベリーズの「Handle With Care」を。打ち合わせなしでのこの選曲のコンビネーションには驚きだ。
さらに収録中にも、お互いがロビー・マッキントッシュ好きだとわかって再度の驚き。ロビー・マッキントッシュとはプリテンダーズ黄金時代のギタリストのこと。 小倉智昭さんの「とくダネ!」でもテーマに使われていた「Don't Get Me Wrong」のギターも彼だ。
その後、ポール・マッカートニーやノラ・ジョーンズのバンドのギタリストとしても活躍。ルックスは地味だけどギターのセンスがいい。若き日のロビーのギター・プレイが見たくて探してみた。エンディング近くのギター・ソロが泣けるんだよね。





黒沢君も僕もアコギを持参して、「Baby It's You」を生で歌った。カバーだけど、その解釈に僕らのオリジナリティがよく現れているのではと思う。ビートルズにとってのPlease Mr. Postmanみたいだと言われるようになればいいね。
番組のパーソナリティーはちわきまゆみさん。ほんとにひさしぶりなので、いやが王でも長嶋でも盛り上がった。昔と全然変っていない明るさとキュートさにうれしくなった。
ちわきさんと一度だけバンドを組んだことがある。

1990年4月28日大阪城野外音楽堂、4月30日日比谷野外音楽堂で、当時の東芝EMIレコードに所属していたロック・アーティストが大挙して出演する、「ロックの生まれた日」というイベントが開かれた。
「ロックが生まれた日」にはまだ電気がなかったはずだという想定で、電気楽器は禁止。全員、いわゆるアンプラグドでの演奏。エリック・クラプトンのUnpluggedが1992年のリリースだから、かなり先を行っていた企画だ。


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出演者は、忌野清志郎、細野晴臣、高橋幸広、大村憲司、高野寛、田中一郎、山口富士夫、三宅伸治、延原達治などそうそうたるメンツ。
ふだん別々に活動していたアーティスト達が、いくつかの組に分かれこの時だけのユニットを組んだ。
僕はちわきさんと同じ組に。そのユニット名が「VIVA」。同じ組のブラボー小松君が名付けた名前だ。
そのVIVAのメンバーは :

ちわきまゆみ(Vo & GTR)、ブラボー小松(Vo & GTR)、伊藤銀次(Vo & GTR)
泉水敏郎(Drs & Percussins)、松井亜由美(Violin)、三木黄太(Cello)
Marcy(Special Guest Vo from アースシェイカー)

このユニットの中心になるのは、ちわき・小松・銀次の3人。まず何をやろうかのミーティングから。
それが思いのほか簡単に決まった。
たぶん他の組は絶対やんないだろうと、共通して3人とも大好きな「グラム・ロック」をやることに。
さらに小松っちゃんがドラムを入れようと言い出した。ドラムがないとグラムロックはできないよと。
硬直した僕の頭では、ドラムはだめなんじゃあと一瞬思ったが、すぐにそうか、ドラムってエレキ楽器じゃないもんねと納得がいった。小松っちゃんのひらめきには脱帽である。
思った通りにドラムはみんなの盲点で、当日ドラムのいたバンドはなんと僕たちだけだった。

さらにちわきさんが、T・レックスやるのにストリングスがないとねということで、ヴァイオリンとチェロを入れることに決定。それがさらに僕たちを唯一無比のユニークなバンドにさせた。
この打ち合わせの段階だけでかなりのわくわく感がつのったことを今でも覚えている。
もちろん本番もバッチリ。忌野清志郎・細野晴臣・坂本冬美さんたちのSMIにはちょっぴり勝てなかったけれど、アンプラグドとは思えない華やかな感じでかなり目立ってた。
この時の選曲表だ。はっきり覚えてないが、たぶんこの曲順だったと思う。

01) Ziggy Stardust (デヴィッド・ボウイのカバー、Vo:ちわきまゆみ)
02) Gudbuy T'Jane (スレイドのカバー、Vo : ちわき・Marcy・銀次)
03) 20th Century Boy (T・レックスのカバー、Vo : Marcy)
04) Jet Silver And The Dolls Of Venus (ビーバップデラックスのカバー、Vo:伊藤銀次)
05) Back In The U.S.S.R. (ビートルズのカバー、Vo : ちわき・Marcy・銀次)



ちわきさんが選曲した、ゴキゲンなロックンロールなのだ。


東芝EMIのイベントということもあって、すべてのバンドがビートルズの曲を必ずひとつ選曲しなければならない。ちょうどソ連がペレストロイカに揺れ動いていたので、Back In The U.S.S.R.がタイムリーかと選曲した。このうち01)と04)と05) の3曲がライヴCDに収録された。

せっかくグラムロックを演れるんなら、デヴィッド・ボウイのフォロワー、ビルネルソン率いるビーバップ・デラックスの曲が歌ってみたかった。ライヴCDには収録されなかったが、大好きな「Jet Silver And The Dolls Of Venus」を歌うことができた。この選曲にちわきさんも小松っちゃんもすごくノッてくれたのがうれしかったね。





なんとジェイソン・フォークナーもこの曲をカバーしている。だけど、どちらかというとあまり騒がれることのない隠れた名曲だ。
その時のVIVAの映像が、なんとYouTubeに上がっているが、音も絵もけっして質がいいとはいえないので、あえてここにはのっけないことにした。ただ、今となってはかなりレアなものなので、どうしてもというかたはこちらを。

http://www.youtube.com/watch?v=C6Iwiw_ShB4&feature=player_embedded

たぶん外国人からだと思えるが、YouTubeのこの映像についたコメントに、「who is this covering be bop deluxe?」とあった。どうみても東洋人にしか見えない僕たちのマニアックなカバーに驚いているのだろう。思わず、It's us. it's VIVA、それは僕たちだよと教えたくなった。

たった2日間だけのバンドだったけれど、一生忘れられない楽しい経験だったよ。
ちわきさん、チャンスがあったらいっしょにまたライヴ演りましょう。今度はuncle-jamといっしょに。