いつもいつも「サンデー銀次」を読んでくださってありがとうございます。
コメントをくださった方へのお返事です。
ロック・ギタリスト、ゲイリー・ムーアが亡くなりました。僕よりまだ2歳も若いのに。死因はいまのところ調査中だそうですが、それにしても惜しい。いつも全身からスピリットを放射させていた素晴らしいギタリストでした。冥福を祈ります。
予定では「お返事」は、次かその次の日に考えていたのですが、読者のお一人からゲイリー・ムーアについてのコメントをいただいていたので、あまり遅くなってはと思い、急遽今日は「お返事」と「追悼ゲイリー・ムーア」にさせていただきました。
今日の1曲目は、ゲイリー・ムーアが思春期に多大なる影響を受けたブルース・ギタリスト、ピーター・グリーンとフリートウッド・マックの「Need Your Love So Bad」です。ピーターは彼のギターの出発点でした。そして思春期の頃の僕のギター・ヒーローでもありました。この曲を天国のゲイリーに捧げたいと思います。






■ ジェフ・松本・クラプトンさんへ

こちらこそ初めまして。
突然のゲイリー・ムーアの死。僕もとてもショックです。
僕はゲイリー・ムーアとほぼ同世代。クリームや、まだブルース・バンドだったフリートウッド・マックなどに影響を受けて、白人ブルース・ギターをコピーしはじめた世代でした。
そういうこともあって、ゲイリー・ムーアを真剣に聞くようになったのは1990年の「Still Got The Blues」からでした。


スティル・ゴット・ザ・ブルーズ/ゲイリー・ムーア

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1. Moving On
2. Oh Pretty Woman
3. Walking By Myself
4. Still Got The Blues
5. Texas Strut
6. Too Tired
7. King Of The Blues
8. As The Years Go Passing By
9. Midnight Blues
10. That Kind Of Woman
11. All Your Love
12. Stop Messin' Around


はじめてこのアルバムを聞いた時にうれしい驚きがありました。
ゲイリーはハードロックのギタリストだというイメージが強かったのですが、そのルーツがイギリスの白人ブルースにあることをカミングアウトしたこのアルバムで、彼にとてもシンパシーを感じました。
M2やM11は、エリック・クラプトンがジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのギタリスト時代に残した名作のカバー。ここからブリティッシュ・ブルース・シーンが始まりました。僕のブルース・ギターもここからはじまったのです。


ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン(スペシャル・エディ.../ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ・ウィズ・エリック・クラプトン

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そしてM12には冒頭で紹介したピーター・グリーンのフリートウッド・マックの曲も入っていて、ひょっとすると僕がクラプトンやグリーンをコピーしていた同じ頃、彼も熱心に同じアルバムにシビれてコピーしていたのかと思うととてもうれしくなった記憶があります。
ところがその曲は、彼のルーツのさらなるカミングアウトの予告編に過ぎなかったのです。
なんとそれから5年後にリリースされた「Blues for Greeny」は、全曲がフリートウッド・マック、ブルースブレイカーズ時代のピーター・グリーンのカバー曲、完璧な彼へのオマージュ・アルバムでした。
タイトルのGreenyとはピーター・グリーンの愛称なのです。


Blues for Greeny/Gary Moore

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1. If You Be My Baby
2. Long Grey Mare
3. Merry Go Round
4. I Loved Another Woman
5. Need Your Love So Bad
6. The Same Way
7. The Supernatural
8. Driftin'
9. Showbiz Blues
10. Love That Burns
11. Looking For Somebody


M2やM4など、まだごまのはえを作る前、19歳ぐらいのときに僕もバンドで演っていた曲です。
すみません。今日はただのブルース・ギター・ファンになっているようです。お許しください。全然冷静になれないものがあります。19歳に戻ってしまっているからです。
かなりオリジナルの雰囲気を忠実に再現しているところからも、いかにゲイリーがピーター・グリーンをリスペクトしていたかが思い伺われ、胸が熱くなります。
音楽で一番大切なものの一つは「リスペクト」ではないでしょうか。
その中からフリートウッド・マックのオリジナル・ブルース「Merry Go Round」のカバーを。
かなりピーター・グリーン節を継承しています。





ピーター・グリーンに気に入られ、彼からレスポールをプレゼントされた逸話は有名ですが、ギターだけではなくスピリットもちゃんと受け継いでいました。ジェフ・松本・クラプトンさんが何百万回も泣かされたという「パリの散歩道」も、このレスポールでの名演ですよね。

いつのまにかゲイリー・ムーアのミニ特集になってしまいました。ギターに興味のない方達には申し訳なかったです。こんな回もあるのが「サンデー銀次」なのだと思ってお許しください。この機会に、僕にもどこか根っこにギタリストの魂が熱く宿っていることを強く自覚させてもらいました 。
それでは最後にその「パリの散歩道」を見てみましょう。ほんとうに残念なことですが、ゲイリー・ムーアのギターの響きは僕たちの心の中でいつまでも生き続けることでしょう。





■ アビテートさんへ


「双子座にジェラシー」が好きだなんて言われたのは人生で初めてのことです。「唇にスパーク」リリースの時に、サウンドストリートにPANTAさんがゲストに出られた話も、「アンジェリーナ」がPANTA & HALの「北回帰線」にインスパイアされたという話も初耳でした。アビテートさんのお話は、僕にはすべて初めてずくめだったわけです。

プロデュース鈴木慶一で思い出しましたが、2月4日号「ありがとう!お返事です。#26」に載せた、1973年9月21日、文京公会堂でのココナツ・バンク「日射病」のイントロで流れるサイレンは、当日遊びにきていた慶一君に頼んで鳴らしてもらったものです。なぜその場所に本物のサイレンがあったのかは今となっては遠い記憶の彼方ですが ... 。




■ †…MINA…† さんへ

†…MINA…† さんもレコード屋さんが好きなんですね。中古レコード屋さんに行くときはやっぱり1人で行かないと。自分のペースで見ないといけませんから。
風の便りに渋谷タワーレコードの売り場が縮小したらしいという噂です。しばらく行ってないので確認してこなくちゃならないけど、それにしてもタワー、お前もかと言いたくなります 。レコード屋ファンとしてはさびしいかぎりですね。


コメントどうもありがとうございました。
これからも「サンデー銀次」よろしくご愛読お願いします。